第6位 ハリスの旋風(ちばてつや)
少年漫画の作者は男性だし、少女漫画の作者は女性。ほぼほぼ棲み分けができています。
例えば『ゴルゴ13』(さいとうたかを)に出てくる女性はゴツゴツしていてニューハーフみたいだし、『島耕作』(弘兼憲史)のそれは裸になったらビニ本みたいな卑猥さが漂う。何でしょうね、男女では線の描写に微妙な違いがあって、男性が描く女性は化粧っ気がないと言いますか、完成度が低くなるんです。
例外は、手塚治虫とちばてつやです。二人は、堂々と少女漫画に連載を持っていました。『リボンの騎士』とか『島っ子』とか。
異性を魅力的に描けるのは、作家としての強みです。
手塚治虫の世界は、宝塚歌劇団っぽい雰囲気で貧困からは程遠い感じがしますが、ちばてつやの作風は真逆で主人公が貧乏であることが前提となっていました。加えて、成績も悪い。そういうところが共感を得ていました。下から目線。貧乏なくせに、何故か私立の中学へ通います。公立だと無茶できないってことでしょうか? 本当は私立の校則の方が厳しいんですけどね。
後の『おれは鉄兵』もそうだけど、ハリス学園は中学と高校が一体化されていました。中高が一緒だと、上下関係の圧力が甚だしくなるんでしょうけど、そんなの関係ないのが石田国松です。イジメとかシゴキとかを跳ね除けて行く。低身長ってとこも弱虫な子供たちに勇気を与えました。
「ドンガンドンガラガッタ〜♬」で始まるアニメ版では、大山のぶ代の吹き替えがピッタリはまっていたのが懐かしいです。『ドラえもん』よりも大山のぶ代はこっちだなぁ。
(つづく)