カウントごとの考え方をまとめました。
0ー0 6,349打数 2,012安打 258本塁打 打率.317
初球はバッテリーと打者との読み合いがバチバチぶつかっています。打者は、的を絞ってフルスイングする傾向が強いので、一番ホームランが出やすいカウントです。先発型の投手は、ストライクを先行させるので、初球から打ちに来られることが多いです。一方、救援タイプの場合、間違いのないように進めていくので、初球を打たれることが少ないです。打者サイドも、終盤になると積極的に振ることなく、両者の駆け引きが続くようです。
1ー0 3,831打数 1,283安打 176本塁打 打率.335
ワンボールの後の投球は、投手がストライクを投じようとするので、心理的に打者有利となります。全打者の通算成績で3割3分を超えているのは、かなりのもの。絶好のバッティングカウントだと言えるでしょう。
2ー0 1,176打数 386 安打 67本塁打 打率.328
ツーボールになると、打者側に四球の可能性がチラつくので、少し消極的な面が見え隠れします。打数がグーンと少なくなり、ホームランも減っています。意外に打者がプレッシャーを受けているとも?
3ー0 82打数 34安打 8本塁打 打率.415 808四球
ここでは、ベンチから打つなの指示が徹底されています。安打も四球もほぼ同じ価値だからです。甘いボールが来ても、見逃すケースがほとんどなのは、ゲームを見ていても実感します。
0ー1 5,079打数 1,576安打 121本塁打 打率.310
ワンストライク後の投球に対しても、初球と同じように打者はヤマを張ります。初球とほとんど同じような傾向にあり、勝負が早い打者は、追い込まれる前に打とうとするのです。
1ー1 5,640打数 1,800安打 173本塁打 打率.319
配球を読む上で、1-1のカウントは材料が整ったと言えるでしょう。ホームランの出やすいカウントでもあり、バッテリーの組み立てが問われるところです。
2ー1 3,031打数 1,006安打 118本塁打 打率.332
昔から打者有利のカウントとして知られています。投手がストライクを投げたくなるし、打者側からすると、材料が揃っているので配球が読みやすいからです。
3ー1 1,060打数 352安打 59本塁打 打率.332 1,377四球
このカウントでは、四球の誘惑との闘いがあります。ベンチから待ての指示が出ることもあるでしょう。打率こそ.332 ですが、出塁率として計算すると.709 まで跳ね上がります。誰が投げているかにもよりますが、このカウントでは、かなり追い詰められた、いや、追い詰めた気持ちになります。
0ー2 4,987打数 767安打 36本塁打 打率.154 2,373三振
誰でも知ってる投手有利のカウントです。ここで打たれるようでは、一軍は難しいです。ボール気味に投げるのがセオリーなので、打数はそれほど多くありません。実際には、カット気味に手を出して、ファウルになるってケースも多いようです。
1ー2 10,576打数 1,756安打 83本塁打 打率.166 4,476三振
投手が最も得意とするカウントです。ヒットの確率は、わずかに6分の1ですからね。打者が見逃し三振をしたくないと思う心理を利用します。ストーンと落ちる球やググーンと曲がるボール球が有効です。
2ー2 9,512打数 1,783安打 104本塁打 打率.187 3,633三振
まだまだ投手有利なカウントです。と、思うかどうかは打者との力関係にもよりますが。メンタルの強さも大切な能力の一つです。
3ー2 5,609打数 1,145安打 101本塁打 打率.204 2,026三振 2,410四球
打率こそ.204 に過ぎませんが、フルカウントの出塁率を見ると.443 となります。さらに、ランナーの状況によっては、投手にスゴいプレッシャーがかかります。そういうところで、乗り越えられる投手こそが、ベンチの信頼を得ることができるのでしょう。
ちなみに先発投手でフルカウントの被打率が際立って低いのが、高橋宏(中日)53打数5安打 被打率.094 と戸郷(巨人)60打数7安打 被打率.117 の若い二人でした。スゴいんです。