日本シリーズを見ていて、オリックスの投手たちが投げていると、何とも言えぬ圧迫感があり、ダメだろうなと思わされていました。
それは、カウントの作り方が上手いから。
オリックス投手陣が2ストライクに追い込むと、相手打者が打てる確率はグーンと低くなるのが数字に表れています。
今季のデータを見てみましょう。
【球団別カウントによる被打率】
0ストライク 1ストライク 2ストライク
オリックス 916打数304安打 .332 1,191打数405安打 .340 2,614打数406安打 .155 1,175奪三振
ヤクルト 1,001打数355安打 .355 1,344打数443安打 .330 2,544打数467安打 .184 978奪三振
オリックスの投手が打者を2ストライクに追い込むと、実に4割5分の確率で三振を獲るのです。安打確率は僅かに15、5%。
個別に見ると、以下の投手たちの成績が光っています。
山本由伸 417打数51安打 被打率.122 205奪三振 29四球
田嶋大樹 246打数33安打 被打率.134 92奪三振 22四球
阿部翔太 92打数11安打 被打率.120 38奪三振 2四球
平野佳寿 88打数6安打 被打率.068 42奪三振 5四球
比嘉幹貴 48打数6安打 被打率.125 24奪三振 1四球
宇田川優希 42打数2安打 被打率.048 33奪三振 3四球
黒木優太 41打数3安打 被打率.073 21奪三振 4四球
山本由伸の無双ぶりは言うまでもありませんが、宇田川優希の三振取得率は実に73、3%。四球が少ないのも驚きです。
各チームとも、一人や二人はこういう投手がいるものの、これだけ人数が揃っているのはオリックスだけです。
魅入られたように、三振の沼に引き込まれていき、そこから逃れるごとくバットを当てに行く様子が窺えます。
(つづく)