都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

イチケイのカラス

テレビドラマと映画の違いとは何か?

まずは、制作にかける予算規模が違います。

スポンサーあっての民放テレビですが、1時間番組ではゴールデンタイムで多くてもせいぜい三千万円程度。夜中にやってるやつは、一千万円を超えることはありません。その多くが役者のギャラなので、低予算のドラマほど、登場人物が少なくなります。孤独のグルメみたいなのは、うんと安く作れますし、大河ドラマみたいな合戦モノに、NHK以外が手を出せないのは、そういうことです。

主役クラスにコストをかけ過ぎた場合、脇役には無名なのが並んでしまうけど、なんとか知名度を保ちたいと考えた末、お笑い芸人が起用されます。顔が売れているけど、役者としての実績はありませんから、安いんです。だから、圧倒的にコスパがいい。

かくして、テレビドラマには、お笑い系がそこそこ重要な役割で登場しています。

そうなると、脚本もコントに寄せていくようになり、ストーリーが軽めになる傾向が、最近のテレビドラマなのです。

映画の場合、興行収入さえ見込めれば、制作費は無限に膨れ上がるので、俳優陣が豪華になるし、あちこちでロケが行われるため、スケール感が増していきます。時間に追われてもいない。四季の移り変わりを入れたりもします。画角も大きいので、遠景を入れたくなる。美意識や音の強弱にこだわるのも映画の特徴といえるでしょう。

 

イチケイのカラス』は、人気ドラマを映画化したもので、こういうのって最初からファンが付いてますから計算が立つんでしょうね。『コンフィデンスマン』とか『Dr.コトー』とか、流行りです。黒木華推しの私は、早速TOHOシネマズで観てきました。

映画館は、今や図書館と並ぶお年寄りの聖地ですね。2時間ちょっとをトイレ立ちに我慢できない人が多いのはご愛嬌です。

で、作品は、ドラマありきで成立しているからか、映画っぽさを感じさせないチープな出来上がりでした。

いや、水準としては、ドラマ並みで面白かったんだけど、お金取ってますからね。こういうのって、コンサートやってる歌手じゃあり得ない。いつもと同じじゃ物足りなくなるってとこ、わからないかもしれませんな。制作スタッフ。

何がどう悪いかを具体的に説明できませんが、映画とドラマは違っていて欲しい、そう思います。