蛙亭のイワクラは、自身の決め事として、ゴミを拾うなど掃除することを良しとしているそうです。
彼女は、そうすることで自分に運が向いてくると信じており、見られているかどうかに関係なく実践しているといいます。
そんな考えでいる人は案外多く、会社や学校で率先してトイレ掃除する人がいたりして、自分教みたいなのがあるんだろうなと思います。
いいことすれば、気持ちが良くなりますもんね。自分も周りも。
そういうのって、誰もが少しずつ持っている感覚で、誰かの影響を受けて、行動に表れているんでしょう。
バカリズムはこのことを「徳を積む」と定義して、自身のコントに取り入れたりしていました。
それが『松沼章三の生涯』です。
89歳で間もなく寿命を全うとする松沼章三は、今際の際の一人語りでそれまでの人生において、如何に小さなことであっても真面目にコツコツと誠実に過ごしてきたかを訴えます。それは全てを来世に賭けているから。頭がさほど良いわけでなく、容貌も優れず、際立った才能がない自分がいくら頑張ったところで結果は知れている。だったら、今は徳を積むことに専念し、生まれ変わった来世に期待しようじゃないかという切実な訴えでした。→https://www.bilibili.com/video/BV1C741137Ph/
このコントをドラマに発展させたのが『ブラッシュアップライフ』(日テレ系)です。
市役所で働きながら平凡な人生を送っていた主人公の女性が、勤め帰りの途中、トラックにはねられて死亡したところから始まるドラマは、死後の世界の案内人から、来世は大アリクイになることを告げられます。ガッカリした主人公に対し、案内人はもう一度人生をやり直して徳を積めば、人間に生まれ変わる確率が上がるかもと知らされ、人生の二周目を始める決意をするというお話。二周目は、徳を積みながら、自分や周りの人生がちょっとずつ変わっていくのが面白い。まさにバカリズムの世界観です。
セリフが理屈っぽいから合わない人もいるでしょうけど、自分の脳内にイメージを膨らませる人にとっては大ご馳走です。オススメします。