関西テレビの制作で『セブンルール』という番組があります。
これは、さまざまな分野で活躍する女性に密着取材し、7つのルールからその人物の人生観を映し出すというもので、なるほど第一線で成功している人は、信念に基づいた揺るぎない決め事を持っているんだなぁと改めて気付かされます。
今回は、笑いに人生を捧げる女たちと題し、三部作のトップバッターとして蛙亭のイワクラ女史が取り上げられておりました。
近いうちに、お笑い界のトップを掴み取ることは間違いないと評価されている彼女の核心に迫ります。
お笑いの世界において、M1やキングオブコント決勝の大舞台に女性が出てくることは、ほとんどありません。
なんでしょうね?笑うってことについて、色気や羞恥が邪魔してむき出しになるのが難しいからなのか?
そんな中、男性に伍して勝負できる希少な存在がイワクラです。実際、キングオブコントの決勝10組の中に女性芸人はたったの一人だけであり、それだけでも彼女の才能を窺い知ることができます。リケジョみたいな感じ。
宮崎弁にこだわって、低音でボソボソ言う独特のスタイルは、その容姿と合わせ、小動物性を醸し出しています。キレイだとか可愛いのとはちょっと違うペット感が新しい。
バラエティ番組では、相方の中野周平のことをクズ呼ばわりして露骨に腐し、毒を吐いているものの、実のところはそのお笑い対応力について尊敬さえしていると伝えることを忘れておらず、自分達の見せ方を計算し尽くしたブランディング能力は見事です。
番組で紹介された彼女自身の7つのルールのうち「ルームシェアの部屋を毎日掃除する」「暇をみては献血に行く」「地元宮崎の名産品を楽屋にいるみんなにプレゼントする」の三つは、徳を積むことを意識したもので、てっぺんを掴み取るために運気を自分のものにしようとする強い意志を感じました。面白い人が大勢いる芸能界の中で、敵を作らず味方を増やすというのが大事なわけで、その当たり前を実行できるかどうかが成功の分かれ目となります。
主観と客観の絶妙なバランスこそが最大の強みであり、それは男女コンビだからこその、なせる技なのであります。