笑顔は人を幸せにします。
男性の圧倒的な愛嬌をテレビに持ち込んだ元祖は、関根勤でした。
笑った顔しか思い浮かばないほど、いつもヘラヘラしている。その脱力感が、ウド鈴木を引っ張り上げています。ツッコミとしての笑い。
自分自身は聞き役に回り、出演者の面白いを引き出して、画面全体の大笑いに繋げていく名人芸で、MCの新しい形を作り出しました。
これなら量産が可能です。受けてから攻めるスタイル。省エネです。
さらに進化させたのが有吉弘行でありまして、『有吉の壁』の中で、自分の笑い声を使って評価の強弱を使い分けました。スベリをも笑いに変えてしまう技術、天才です。しかも、いい人に見える。イメチェンにも成功しました。笑い芸。
演者の中にも、自分で笑いながら進める強者が現れました。東京03の飯塚悟志です。これは、コントの中で相方の角田晃広が顔芸で長く引っ張るため、間が持てなくなった結果、産み出した技です。そりゃそうですね、自分で書いた台本ですから、そんなに笑えるもんじゃありません。だけど、自分が恥ずかしそうに笑うことが呼び水となるってことに気がついちゃったわけです。あざとい。
蛙亭の岩倉美里の場合、相方の中野周平に渡す台本にセリフがなく、ほとんどアドリブで返してくるため、ホントに笑っています。それはそれで新しい。
昔だったら、舞台に出た人が笑っていると、緊張感がないと言って怒られていたんでしょうね。時代は変わっていくのであります。