今はもうやっていないんだけど、私のサラリーマン時代、週に一度必ず見ていたのが『パペポTV』です。
これは、上岡龍太郎と笑福亭鶴瓶が二人っきりでひたすらしゃべり続ける一時間のトーク番組で、ボケまくる鶴瓶を上岡がイジリ倒すというのがお決まりのパターン。
今でこそ、NHKの『家族に乾杯』で素人相手にツッコミをかます鶴瓶ですが、読書が苦手というだけあって、落語家でありながら、いろんなことについての知識がペラペラであり、そこのところを上岡龍太郎が見逃さず、ビシビシ追及していくのです。
お笑いの立位置では、技術的にツッコミの方が難しいとされておりますが、何せ上岡龍太郎は一世を風靡した漫画トリオで横山ノックを手玉に取った猛獣使い。相方のボケが最高点に達する間合いを計りながら、絶妙の辛口コメントをはさみます。このあたり、今風のスピード漫才とは違う緩急の妙で、ボケでしっかり笑いを取ってからツッコミでさらに増幅させる、阿吽の呼吸でありました。
凡人は、自分の得意な領域で話を拡げますが、鶴瓶は堂々と苦手を晒しながら「どういうことですねん?」ときっかけを作る。落語における与太郎の実物を見ているようでもあり、話芸というものの奥深さを堪能したものであります。
最近は、このパペポシリーズを動画で楽しんでいます。
私のイチ押しは、「塚本7キロ」のくだり。何回聴いても面白い名作です。
是非、覗いてみてください。
→https://www.nicovideo.jp/watch/sm11625509
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上岡龍太郎氏が5月19日、肺がんで亡くなりました。『パペポTV』では番組の収録中でもタバコを離さないヘビースモーカーであったのを思い出します。享年81歳。合掌。