都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

富士山噴火

富士五湖のうち、山中湖を除く四湖はその昔、「せのうみ」と呼ばれる一つの大きな湖でした。度重なる富士山の火山活動で溶岩が流れ込み、それぞれに分断されたようです。山中湖もまた、西暦937年の噴火で川が堰き止められて生まれたと考えられています。

つまり、富士山は長い歴史の中で、思い出したように爆発を繰り返しており、そのことを地形が証明しているのです。

直近の記録では、1707年宝永の大噴火。このときは100キロ離れた江戸の町にも5センチほどの火山灰が降り積もったと記録が残されています。

だからまぁ、周辺住民としては気が気ではありません。そろそろ来るんじゃないかとちっちゃい覚悟は持っています。

 

その参考書として『富士山噴火』(高嶋哲夫著・集英社文庫)を購入しました。

なるほど。地震と違って火山の噴火の場合、予兆があるので、早めの対応は可能であると。ただし、行政側は、その情報開示がフライングにならぬよう慎重なので、避難指示をなかなか出せない。特に、観光関連の業種にとっては、死活問題ですからね。だけど、噴煙程度ならまだしも、溶岩流や火砕流なんてことになると、その地に止まることが不可能なので、頑丈な建物へ移りましょうなんて、甘っちょろい対策は取れません。かと言って、十万単位の住民が動こうとすると、交通手段の問題があります。住民の中には、高齢者や病人もいますし、その優先順位を整理しようとすると、時間がいくらあっても足りないってのが分かりました。

それと、世界的に見て、マグニチュード9近い地震が発生した場合、近くの火山が高確率で噴火しているってことも知りました。

つまり、南海トラフ地震が起きた場合、もっと恐ろしいシナリオがあるってことです。

いやいや、海沿いで暮らしていない私は、地震よりも噴火が圧倒的に怖い。なので、迫力のあるストーリー展開でした。630ページはちょっと長かったので86点。だけど、富士山を眺めながら暮らしている人は、読んだ方がいいと思います。

早速、アマゾンでゴーグルを購入しました。噴煙が巻き起こると、その小さな粒が眼を傷つけるので、火山と暮らす住民の必需品なのであります。