マレーシアでは、教えない先生がいい先生だと言われるんだそうです。
授業では、先生がこんな質問を生徒に出していると言います。
「あなたは、英国はEUにとどまるべきだと思いますか? 賛成か反対か、どちらかの立場に立って、議論してください」
「世界で最も多くの人を救った歴史上の人物は、誰だと思いますか? 調査して、自分の考えを述べてください」
「アパルトヘイトはなぜ終わりましたか。あなたの考えを書きなさい」
そこには一つだけの正しい答えはありません。子どもたちは自分で調べたことを共有し、ほかの子が調べたことを聞き、議論します。先生は聞き役に徹しており、これはこうだというような教え方をしていません。
『最高のコーチは、教えない』(吉井理人著・ディスカバー携書)は、ロッテの吉井監督が2年前に著した本です。この中で、個人の能力を最大限に引き出し、高い成果を挙げる方法を披露しています。教えるのではなく、自分の頭で考えさせるように質問し、コミュニケーションをとるいわゆる「コーチング」という技術です。プロ野球でも先端をいく指導者は、そんな風に考えているんですね。
「具体的経験をする」→「内省する」→「教訓を引き出し概念化と抽象化をする」→「実践」。
このサイクルはビジネスの世界はもちろんプロ野球においても大事で、より積極的に採用をしようとしているのです。
つまり、気づかせるのが監督やコーチの役割だってこと。来年のロッテオリオンズに注目しています。