その昔、水をペットボトルで売るなんて考えもしませんでした。
駅、特に地下鉄には、当たり前のようにウォータークーラーが設置されていたし、公園の水飲み場が普通でした。水はタダだったのです。
だけど、水道水は安全を意識してのものでしょう。カルキ臭がきつかったりします。地域差がありますけどね。
そして、国民が豊かになったせいもありますが、水の味にもこだわるようになり、1983年に『六甲のおいしい水』が発売されました。バブルの時代です。
今、自動販売機で売られているペットボトル500㎖が100円。ガソリンより高いとは不思議だけど、ビックリはしなくなりました。
先日、JR横浜駅のホームにずらりと並んだ自販機を退屈凌ぎに眺めていたら、「白湯」120円を発見しました。なるほど、その手があったか!
白湯120円は冷たい水100円より手が混んでいるので当然とも思えるけど、その隣にあるコーヒー140円を見ながら複雑な気持ちになったものです。飲料九層倍。
ところで、最近は駅から次々に売店が消えているのにお気づきでしょうか?
かつては、新聞、雑誌、タバコなどが売れ筋だったんだけど、どれも不人気ですからね。
もともとキヨスクは、事故などで死傷した男性鉄道員の配偶者を雇うという発想から生まれたものでした。このあたり、戦争未亡人を対象に発展した生命保険のおばちゃんに通じるものがある。だから、高齢の女性が多かったんだと。ところが、国鉄の民営化で定年制が導入され、経営効率も重視されるようになって、徐々に姿を消していったとのことです。
なるほど、昔はみーんな同じ価値観で生きていたので、商品の品揃えも単純で許されていたのが、今は多様化の時代であり、また流行の移り変わりも激しいので、コンビニ的なセンスが求められるようになっているのが正解のようです。
高速道路の料金所から人がいなくなっているし、高齢者が働く場所は、どんどん狭まっているのであります。