週に一度、ミャンマーから介護施設への実習生に日本語を教えています。
授業のコマは、一回30分と短いので、そんなにたくさんのことを詰め込むわけにはいきませんが、勉強のコツとでも言いますか、動機付けというところに重きを置いて進めています。
彼女たちの場合、介護福祉士の資格を得た上で、日本に永住するというハッキリした目標があるので、動機付けなんかとうに終わっているのですが、それでも学習を続けることが、ツラいとか面白くないとか思わせないように導いていくのが使命だと責任を感じています。
実際、街中の日本語教室では、文法を中心に詰め込んでいくのが定番のスタイルですからね。それって結構、苦痛だったりします。日本の中学高校における英語教育がそんな感じだったかも。確かにその方法も必要だけど、楽しくないんです。指導する側は、勉強することが楽しいと思わせなきゃダメなんです。楽しければ、放っておいても勝手に工夫して進めていく。そう、最後はその人自身が決めることなんです。先生の役割は、きっかけを与えること。
で、私は最初の授業で「好意の返報性」の話をします。
これは、心理学の基本中の基本で「自分が好きな相手は相手の方も好きになる、相手から好かれているなと感じたら自分もその人を好きになる」という原理原則です。職場の人間関係はドロドロしているので(そんな話は言いませんが)、みんなに好かれるってことが重要で、好かれてさえいれば、いろんな局面で助けてもらえる。特に外国人が日本で生活する上では、困ったことだらけになるので、周りに支えてくれる人が多いほど、自分がラクになる。そのためにも自分が周囲の仲間を好きになって、味方してくれる人をたくさん作ることである。優しさに包まれていれば、いつも幸せな気持ちでいられるのであります。
そして、反対法則である「悪意の返報性」の話もします。
「自分が嫌いだと相手も嫌いだ、相手に嫌われているなと感じたら自分も嫌いになる」。ということは「嫌いな人がたくさんいるということは、大勢に嫌われている」という話になる。これはマズいです。なんとかしなきゃいけない。だから、人を好きになろう、その人の良いところを見る(美点凝視)ようにしよう。と熱く語りかけるのです。
じゃあ、どうすればみんなから好かれるようになるのか? については稿を改めて論じることといたします。