都会のネズミと田舎のネズミ

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天才

アインシュタインの唯一のライバルと言われているのがデンマークの物理学者、ニールス・ボーアです。
彼のコペンハーゲン大学での物理学卒業試験でのこと。
問題は『気圧計を使って超高層建物の高さをどのように求めるか述べよ』でした。
これに対し、ボーアは複数の回答をひねりだします。

  「気圧計の首に長い紐を結び付けて、次に、超高層ビルの屋上から地面へ気圧計を降下させます。紐
  の長さに気圧計の高さを加えた値が建物の高さと等しいでしょう」

  「超高層ビルの屋上まで気圧計を持っていき、気圧計を屋根から地面まで落として、地面に到着する
  までの時間を測定します。建物の高さは、地面に到着するまでの時間の2乗に(重力加速度/2)を
  乗じることで求められます。しかし、気圧計にとっては不運です」

  「あるいは、太陽が輝いている場合、気圧計の高さを測定し、次に、気圧計を垂直にセットし、その
  影の長さを測定します。その後、超高層ビルの影の長さを測定します。それらの影の長さから、超高  層ビルの高さを割り出すことは単純な算術の問題です」

  「そして、もっと高度に科学的にやりたいならば、最初に、気圧計に短い紐を結び付けて振り子のよ
  うに振動させます。最初は、地表面で、その後は超高層ビルの屋上で。建物の高さは、振り子の固有
  周期の違いによって求めることができます」

  「超高層ビルに外部の非常階段があれば、それを登って気圧計の高さの何個分に相当するかをカウン  トする方が簡単ですね」

  「もしそれらが退屈すぎて、もっとオーソドックスな方法をとるならば、超高層ビルの屋上と地上の
  気圧を測定し、気圧の差から建物の高さを換算できるでしょう」

  「しかし、私たちは自主性を高め、かつ科学的手法を適用することを絶えず求められていますので、  最も最良の方法は、ビルの管理人のドアをノックし、彼にこう言うことでしょう。『あなたが新しく  て高性能の気圧計が好きなら、この気圧計を差し上げましょう。もし、あなたがこの超高層ビルの高  さを教えていただけるなら』と」

人工知能がどんなに発達したとしても、こんな風には答えられないでしょう。
世の中には、ホント、賢い人がいるものです。