『犯罪者』がハマったので、太田愛氏の三部作と言われる『幻夏』(角川文庫)にチャレンジしました。
彼女の作品は、ボリューミーなので、覚悟を必要とします。文庫本の480ページ。
前作と同じく、最初から伏線ハリまくりでした。
その一つひとつを丁寧に拾い上げていくので、終わったと思ってからが長くなります。
終盤は、興奮が昂まったり醒めたりと波のように寄せては消えで…うーん、どうでしょう?
筋立ては素晴らしいんですけど、説明を詰め込みすぎて、一気に込み上げてこないので、82点です。
沼津の自宅近くには、標高193メートルの香貫山(かぬきやま)がそびえたって(?)います。
たいしたことないように思えますが、これに立派な登山道があって、てっぺんまで登ろうとすると、50分近くかかります。心臓バクバク。
頂上の展望台は見えるのに、なかなか辿り着けません。駅伝の山の神だったら10分もかからないんだろうけど、94キロですからの50分。
実にいい運動コースとなっています。
で、山頂からの眺めは、富士山と駿河湾が臨める絶景です。そして、私の大切な読書スポットでもあります。
図々しいようにも思えますが、伊豆半島の付け根に連なる山々は、沼津アルプスと呼ばれていて、中高年の登山者に人気の場所なんですよ。
桜の開花が楽しみであります。
プロ野球の開幕が二週間後に迫ってきました。
この時期、決まって刊行されているのが『プロ野球 問題だらけの12球団』(小関順二著・草思社)です。
野球評論家は大勢おりますが、ほとんどはプロ野球経験者です。
そうじゃない中で、私が注目しているのがまず、お股ニキ氏、二宮清純氏、広尾晃氏、そして、小関順二氏です。
小関氏がスゴいのは、多くのアマチュア選手を主要な大会でストップウォッチを持って取材していること。投手の投球時間と捕手の送球時間、それに打者のスピードを詳らかに計測しています。だから、技術論はともかくも、一軍で通用するかどうかの眼は確かです。
そして、各球団に所属する選手をポジション別年齢別に仕訳けして、補強すべきポイントがどこにあるかをハッキリさせました。
これに影響されて、ドラフト戦略を見直した球団も多いと聞いています。
もう一つ、独特なのは、与四球が少なくて与死球の多いチームを良しとしていること。内角を恐れず攻めている証拠として挙げており、確かに因果関係が認められます。
さらに面白いのは、二軍での成績を見て、翌年に活躍する選手を予言しているところです。
なんか、人工知能がやるような手法を体現しているようで、そういう楽しみ方もあるなぁと思わされます。
このシリーズ、2000年からずっと続いていて、前年にドラフト指名された選手のプロフィールが分かるので、ときどき見返してはニヤニヤしております。
日本医師会というのは、会員数17万人を誇る圧力団体であり、自民党との結びつきが強いことで知られています。
組織の中核は開業医が占めており、総合病院でも公立じゃない民間病院の意見が反映されることが多くなっているのが特徴的です。
なので、まず大事なのは、経営についてです。
コロナ患者が増えることで、病院経営に支障があってはならない。だから、そのための新たな病床を設けようとはしません。他の患者を遠ざけることになるし、専門スタッフが負担になる。コロナが終息すれば、無駄になりますからね。
オンライン診療についても否定的です。かかりつけ医こそが、地域医療を支えるものだと。したがって、高齢者に引続き通院しなさいと言ってます。それが日本医師会の総意だということで。
コロナ対策分科会の尾見会長は、4つの民間総合病院の理事長を務めておりますが、そこでの患者受け入れも消極的なので、実際に前線で闘っている医療現場の声を反映できるようには思えません。
だからなんでしょう、厚労省も医療崩壊対策に本腰を入れないため、そのツケを飲食店や観光事業者へ回したというのが実態です。
メディアはこれを充分に伝えきれずにいます。どういう力が働いているんだか?
『新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか』(木村盛世著・飛鳥新書)は、そのへんのところに分かりやすく斬り込んだ良書です。
この中で、元厚労省医系技官だった著者は、経済と感染対策の両立が可能であると主張しています。
それは、高齢者とそれ以外とで分けて対策を打つべきとするもので、病院への支援策こそ国が優先的に予算を振り向けるべきだということです。
現行のやり方では、緊急事態宣言解除後の揺り戻しは確実であり、陽性者数に振り回されるべきではありません。
もう一つ、陰性を絶対的に証明するのは難しいけど、陽性だったことは間違いないので、そういう人はむしろ、お世話する側に回ればいいと。ただ今の石田純一氏は、感染者になり得ないってことです。
なるほどね。
だから、木村氏は、ロックダウンの真逆をやったスウェーデンの動向に注目しています。早いとこ、みんな感染者になってしまえばいいと。
この意見をとんがらせると、マスク不要を支持するホリエモンみたいになっちゃうけど、ほとんどの若者に重症者が出ていない現実は、認めるべきではないでしょうか?
緊急事態だからと言って、じゃぶじゃぶお金を使っていると、そっちの方が不安になります。
総理の長男の話で不思議なのは、東北新社という会社が30回以上にわたって接待を繰り返していたとき、ほかの放送局が何もしなかったのかってことです。つまり、総務省の人たちが、東北新社だけの接待に応じていたのは、おかしいんじゃないでしょうか?
もし、そうならば、後ろめたくなるので、登場人物を絞るハズです。本当はやっちゃいけないんだけど、このことは内密にと。回数も多すぎるし、スキだらけな感じ。
大体、七万円が高額だと言うけれど、高級店で年代物のワインを開ければ、そんなもんでしょう。それは、例外的にアリな話。
むしろ、ほとんどが一人一回五千円程度の飲食だってとこに、常習性を感じます。
政府はマスコミ報道に敏感で、特に関東エリアの放送局に対し、それを監督する総務省を通じて圧力がかけられるようにしています。
放送局サイドは、今の形を崩されたくない(チャンネルを増やされたくない)ので、ひたすら外圧を拒みながら、現状維持を続けようとする。
その際に、橋渡し役となっているのが、記者クラブに詰める通称「波取り記者」です。彼らの役目は、人間関係を密にすること。だから、一緒に食事なんてことを頻繁に行なっているハズです。そうでないと、仲良くなれないから。
つまり、連日、報道しているようなことを、実は各局とも、多かれ少なかれやっています。間違いない。
本当は、調査すべきなんです。総務省内の接待についての実態調査。だけど、放送局はこのことを取り上げません。
おかしいんだなぁ、第四の権力。
産廃業者は自治体による許可制をとっていて、簡単にはなれません。
結構、政治的な繋がりが強かったりするし、強面の関係者たちが仕切っているってのもあります。
そもそも、最終処理を行う場所が不足していて、計算が合わないんだけど、いつの間にか処分されている不法投棄の現実があって、ほとんどそれがバレてないし、積極的な取り締まりも行われていないようです。
森友学園が建設された土地が、昔は池で、そこを埋めるように、たくさんのゴミが捨てられていたというのは記憶に新しいところ。
国会では、環境省の見解として「排出者に民事上の責任がない」などとお墨付きを与えたもんだから、結局は業者任せとなり、問題があると分かっていながら、何も変わらないのが現状です。そういう意味で、真面目な業者にはこの仕事、向いていません。叩けばホコリ(?)ってこと。残土のことも含め、調べれば調べるほど、いろんな闇が浮かび上がってきます。
だから、ミステリー小説で取り上げられることが多い業態ではあります。
『犯罪者』(太田愛著・角川文庫)は、食品大手の会社がベビーフードに毒物が混入されていたにも関わらず、競合会社に負けまいと、充分な検査を行わないまま、市場へ流出させてしまい、それを隠すための処分を業者依頼するところから、物語が複雑に進んでいきます。
作者は大ヒットドラマ『相棒』の脚本を手がける女性だそうで、登場人物のキャラ設定が絶妙に描かれておりまして、それぞれが文中で生き生きと躍動しておりました。
なかなかのハードボイルドぶりは、男性が書いたと思わせるほどです。
ただ、最後のまとめ方が、私の趣味ではありませんでした。うーん、86点かな?
厚労省が先月末に公表した人口動態統計(速報)によれば、令和2年の死亡者数が、前年よりも9,300人減ったということです。
コロナで大騒ぎしたにも関わらずのこの結果は、高齢者に多く見られた肺炎死亡や脳卒中による死因が減少したためのようです。
これは一時的なものなので、今年また、増加に向かうのは間違いありません。90歳以上の老人にワクチンなんか打つと、刺激が強すぎて、引き金になってしまうような気がしています。
それ以上に、婚姻件数の前年割れで、出生数の激減は必至。かくして、人口減少社会へまっしぐらは避けようがありません。
だけど、もっとヤバいのが、お隣の韓国です。
昨年の合計特殊出生率が0、84ですと。
低くて大変だと騒いでいる日本でさえ、1、3〜1、4ぐらいで収まっていますから、次元が違います。
背景には、就職難だとか、重くのしかかる教育費だとか、住宅価格高騰もあって、若い世代に先行き不安感が広がっているんだそうです。
これは、数年先の日本とも言える。
政策等、先手を打って参考にしなければいけません。