先日、BSでヒッチコック監督の『サイコ』という映画をやっておりました。
今から60年前の白黒の作品ということもありますが、世の中はこんなに不便だったのかと思わせます。気になって、しょうがない。たったの60年前なのにねぇ。
当時は斬新だったとされる映像表現もピンときませんでした。
変質者が主人公とはいえ、今の時代、もっとおかしな人がたくさんいます。
車で移動するシーンは、車外の景色が流れていくだけのもので、キングオブコントを見ているようなチープな感じ。
本質とは、全く関係ないんだけど、こういうのは、黒澤作品でも同じです。昔が過ぎると、本筋が入ってこない。
時代の変化のスピードに、ただただ驚かされます。たった60年前なのにねぇ。
相場英雄氏の『クランクイン』(双葉社)を読みました。
いつもは、警視庁捜査二課を中心に知能犯罪との闘いを描く同氏ですが、今回は映画製作にまつわる話です。
広告代理店やテレビ局・新聞社が立ち上げる製作委員会が、必死に資金調達することや、小説が映像化されることで、増刷が見込める出版社。
撮影に至るまでの事前準備。アイドルタレントのキャスティングの是非。業界における古い因習やその知恵。
作家というのは、一冊を書き上げるために、事前にいろんなことを学習するということが、よーくわかりました。そして、監督も。
ヒッチコック様、大変失礼いたしました。