都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

プロスペクト(巨人編)

三年前の話ですが、当時育成選手だったジャイアンツの保科広一選手が二軍の試合を終えて帰る途中、キャッチボールをしていた一般人の親子に対し「野球なんかしてもつまんねえぞ」と捨てゼリフを吐いて問題となり、球団が平身低頭して謝った事件がありました。

保科選手は2020年に石川県の遊学館高校から育成ドラフト11位で入団した外野手でしたが、好成績を残しても上からの声は一向にかからず、溜まりに溜まったストレス発散からの行為でした。クレームを入れるのもどうかと思いますが、言わなくてもいいことを言ったのは事実のようです。

これは、選手を抱え過ぎた球団に共通する悩みであり、そこに担当するコーチの政治的な影響力が絡んだりすると、余計にややこしくなります。

カープ新井貴浩監督が就任時に「オレは好き嫌いで選手起用をしない」と宣言した裏に、ティーチャーズペット(先生のお気に入り)的な因習がはびこっているともいえるのではないでしょうか?

そして、ジャイアンツから過去3年に他球団へ流出した選手は以下のとおりです。

 

戸根千明(広島)現役ドラフト

メルセデス(ロッテ)

ポランコ(ロッテ)

廣岡大志(オリックス)鈴木康平とのトレード

石川慎吾(ロッテ)小沼健太とのトレード

ウォーカー(ソフトバンク)高橋礼・泉圭輔とのトレード

北村拓己(ヤクルト)現役ドラフト

中田翔(中日)

中島宏之(中日)

原拓也ソフトバンク育成)

堀岡隼人(DeNA育成)

鍵谷陽平日本ハム育成)

香月一也(オリックス育成)

 

出て行った選手で1チームの編成が可能なくらいの豪華メンバーです。彼らは活躍の場を求めて、移っていきました。大金をはたいて購入した一張羅の洋服を着なくなったと言って、燃えるゴミに出しているような感じ。もったいない。

そんな中で、プロスペクトを探すと一番に出てくるのが慶應大学から2022年のドラフト2位で入団した萩尾匡也外野手です。この選手、大学四年時に突如として才能が開花し、リーグの三冠王に上り詰めました。その勢いのまま、昨季のイースタンリーグで打率.283 本塁打7本を記録しています。この数字は、翌年の一軍での活躍を約束させるものだということは、過去のデータが示しています。つまり、新人王争いの資格があると。ただし、それは試合に出場した場合の話であって、せっかく二軍で順調に育て上げた苦労が水の泡となりそうな気がします。

投手陣の中では、明星大学から2022年育成ドラフト1位で獲得した松井颯投手が有望です。昨年5月に支配下登録を勝ち取り、二軍で8勝を上げて、一軍では初登板初先発初勝利をマークしました。しかしながら、投手にしても充分すぎるほどに頭数が揃っていて、これもなかなかチャンスが少なそう。余程の運に恵まれないと、大きく羽ばたくことができない球団事情なのであります。