阪急ブレーブスの黄金期を築いた名将・上田監督は、「捕手が守りの監督代行だとすれば、三塁ベースコーチは攻めの監督代行である」と言っていました。
瞬時の判断を迫られるとき、ベンチの指示を仰ぐわけにはいかず、そこに事前の準備と観察力、そして胆力が求められるからです。
それほどに重要な役割にも関わらず、球団によって考え方が違うようで、組閣時の大臣起用程度に捉えている監督もいるような気がします。
まるで、草野球みたいな話。
だけど、実際には大きな違いが出ておりまして。
以下は、12球団のチーム塁打数に対する総得点の比率を算出したものです。1点を取るために、何塁打が必要かということ。
楽天 423塁打 169得点 2.50
ヤクルト 366塁打 138得点 2.65
西武 372塁打 134得点 2.78
巨人 408塁打 144得点 2.83
ロッテ 342塁打 116得点 2.95
オリックス 363塁打 121得点 3
ソフトバンク 415塁打 136得点 3.05
日本ハム 347塁打 113得点 3.07
広島 434塁打 132得点 3.29
DeNA 423塁打 127得点 3.33
阪神 364塁打 109得点 3.34
中日 358塁打 101得点 3.55
数値が低いほど、効率よく点が取れているってことです。
セリーグが、チャンスを作りながら、点が取れていないというのがよく分かります。
3を切るチームが試合巧者といえるでしょう。
この数値が上位の球団には、優秀な三塁コーチがいます。
特に見逃せないのが、カープ三連覇を支えたヤクルトの河田コーチ。低評価だった前評判を覆すチームの原動力といえるでしょう。リーグトップの盗塁数もそうですが、次の塁を狙う意識が明らかに変わりました。
対象的なのがカープで、12球団トップの塁打数が、得点に反映されないのは、走塁の積極性が失われたためだと思います。
ただ今の三塁コーチは廣瀬純コーチですが、現役時代の盗塁数19に対し、失敗が12でした(河田コーチは、盗塁数53失敗15)。
どうなんでしょう?