ここのところミステリーを読んでいなかったので、ネット検索すると、筒井康隆氏の小説『ロートレック荘事件』がオススメになってました。
同氏の小説は当たり外れが大きいので、どうかと思いながら購入したところ、不思議な読後感でありました。何かハヤカワ文庫みたいな翻訳物のスタイルなんです。
国内の事件なのに海外のようであるのは、執事みたいなのが常駐する別荘という設定が挙げられます。アガサクリスティの『そして誰もいなくなった』をテレビ朝日が日本版に脚本起こししたような、そんな感じ。
ロートレックという実在した画家がモチーフなのも、教養を試されているような不思議さです。何せページの合間に謎解きとは関係がないロートレックが描いた絵画がたくさん挟まれていて、これを文芸作品にするなんて、ずるいっちゃずるい。
トリックは、登場人物の人間関係が複雑すぎて、そのことに気を取られ、ビックリはしませんでした。変わった作品だとは思うけど。
うーん、55点かな?