都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

任侠病院

お医者さんになるには、大学の医学部に入学しなければいけません。

そのために、たくさんの時間をかけて勉強します。学校の授業だけじゃダメで、予備校でテクニックも学ばなきゃならない。私立へ行くには、表とウラとお金が必要です。だから、金持ちの子供でないとなかなか。なので、開業医の親たちが名乗り出るという図式です。開業医の子は開業医。

医学部に入るため、運動も音楽もやらなかった青春を取り戻そうとする反撃の狼煙は、女性たちとの交遊へと向かいます。だけど、遊び慣れていないので、イケてる女性には相手にされません。そこで、お金に執着するようになります。クルマもね。

そうなると、勤務医なんてやろうとは思わない。儲かるのは開業医。親父の跡を継いで看護婦は顔で選んで、多めに雇うハーレム状態、ウヒヒ。

そんな人が多いです、開業医は。

診療報酬のレセプトが未だにオンライン化されず、手書き処理で水増し請求が横行しているのは、医師会の圧力によるもので、その医師会の中枢にいるのが開業医だってことです。つまり、経営的に見ると、合理化から程遠い病院は、スキだらけでありまして、そこのところを風刺しているのがシリーズ『任侠病院』(今野敏著・中公文庫)です。

痛風のプロ患者である私は、引越しのたびに主治医を変えるので、医者を見る目も(身体も)肥えてまいりました。

うーん、開業医は総じて問題を抱えております。普通の商売と根本的に違うのが、ウェルカムの精神です。ありがとうという気持ちがない。そして、部下への指導・教育は、ベテラン婦長か自分の妻かに任せっきり。ここにも経営的な視点はないのであります。賢いからと言って、よき経営者かどうかは別問題なんだけど、いつまでも万能感を引きずっているのがまた、開業医です。

だからこそ、ツッコミどころ満載で、今野敏氏の面目躍如となるわけです。相変わらず面白いですよ。87点。