週末の映画は、『三代怪獣 地球最大の決戦』を。これは、1964年12月東京五輪直後に公開されたもので、後の怪獣ブームに繋がっています。
うーん、違う世界の物語でありました。奇想天外、荒唐無稽。貧乏な様子を隠そうとしない潔い子供って感じ。昔はそういう純粋さが、そこかしこにありました。楽しければ何でもありだと。スタッフに理科系は存在しません。
例えば、飛行機のドアを開けて空中へダイブする王女、チープな国会議事堂に手書きの役職表示、国会で突然歌い出すザ・ピーナッツ、出前ピザみたいにあっという間に駆けつけるモスラの幼虫、VIPの存在をものともせず悪者が侵入する隙だらけのホテル、なぜか日本語で会話する外国人、闘っていたハズなのにモスラの説得により突然相談し合うゴジラとラドン、世紀末みたいに押し寄せる怪獣たちを覚悟して受け入れる冷静な市民、ハデに登場した割には攻撃力が不足しておりキングギドラに岩を投げるしか手段がないゴジラ、金田正太郎みたいに拳銃を撃ちまくる人たち、ローマの休日のパロディみたいなエンディング…いろんなやりっ放しが解決しないまま、めでたしめでたしとなります。有無を言わせない。
その昔、エンタメ業界を支えていたのは、文化系の人々でありました。88点。