文学にはパスティーシュという作風を模倣するジャンルがあります。
モノマネ芸の文芸版。タモリが寺山修司を真似て、声帯模写ならぬ思想模写を行いましたが、そんな感じ。あの人だったら、そんな風に書くだろうなってところを描写する芸です。
そのジャンルを切り開いた第一人者が清水義範ではないでしょうか?
『蕎麦ときしめん』(講談社文庫)は、その入門書とでも言うべき本で、山本七平ことイザヤベンダサンや司馬遼太郎の文体を取り入れたパロディには衝撃を受けました。
この鉱脈を探し当てると、アイデアは無限に広がるようで、子ども電話相談室なんかも、ネタ元として繋げていたような、そんな作家です。
彼の作品の一つに『バールのようなもの』(文春文庫)があります。
メディアで報道される表現の中で、犯行に使用した凶器とされるものを「バールのようなもの」と言ったりするけど、それは一体何なのかについて、こだわった作品ですが、これを落語に転用したのが立川志の輔です。
試してガッテンだったのでしょう。この人も鉱脈を探し当てたようですね。
私は寝る前に、このYouTubeを流しながら、眠りについています。
他に『みどりの窓口』ってのもあるけど、騙されたと思って聴いてみてください。ハマりますよ。