都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

お前も浪人にしてやろうか?

岸田首相が、東大受験に3回失敗し、諦めて早稲田大学へ進学した話を聞いて、元財務官僚の山口真由が「よっぽど受験が好きなんだな」と言い放ったことが波紋を呼びました。東大現役合格は当たり前で、司法試験も三年生の時にクリアした彼女にとって、試験に合格するのは当然のことなんだそうです。

そこだけ切り取ると、何て傲慢な女性だと思うかもしれないけど、そのために行った努力は半端なものでなく、その著『東大首席が教える超速7回読み勉強法』(PHP文庫)によれば、一日19時間机に向かうのを厭わなかったと言います。彼女からすれば、目標を決めてから逆算してペース配分を決めるのは必然であり、成果を上げるのは自分に合った勉強法を見つけることだと喝破していました。なるほど、部品じゃなくて使い方だってことですね。19時間勉強し続けるスタミナは、才能だと思いますけど。アメリカの司法試験なんて、ちょろいちょろい。

 

このミステリーがすごい!』で大賞を受賞して注目されている新進作家で新川帆立という女性がいます。

この人、ものすごく変わっておりまして…

テキサス生まれの宮崎育ち。高校時代に読んだ『吾輩は猫である』で感銘を受けて、小説家を志します。しかし、物書きは生活が不安定だと思われるので、とりあえず経済的基盤を確保しようと、東大を受験。医学部がダメだったので、法学部へと方針転換します。弁護士資格を取得した後、大手事務所へ就職したのですが、150時間を超える残業に嫌気がさして、大手企業の法務部門へ転職しました。空いた時間に小説を書いて、今回の大賞に結びつけたのです。

山口真由と違って一撃必殺ではなく、新川帆立の場合は失敗した後の軌道修正が見事です。目標設定のレベルもですけどね。いるんだなぁ、試験に強い人。

 

で、受賞作品の『元彼の遺言状』(宝島社文庫)ですが、これはイマイチでした。

文章に滑らかさがないので、読みにくく、突飛な状況設定も頭に入りづらかったです。

次作に期待。60点。