「この世から愛がなくなってしまったら、あ行はうーとえーとおーだけになってしまう」
教祖様が信者を集めてもっともらしく言えば、そうだなぁと思わせられます。そもそも愛が何であるかが、よく分かりませんからね。
「うー」とか「えー」とか溜めて話すと、それらしく聞こえるから不思議です。
ケムに巻くという視点の言葉を集めてみました。
「忘却とは忘れ去ることなり」
一世を風靡したラジオドラマ『君の名は』(菊田一夫脚本)の冒頭ナレーションのくだりです。
これは応用が効きますね。信頼とは信じて頼ること。隔離とは隔てて離すこと。改善とは改めて良くすること…。音読みを訓読みにします。
元ネタは、難易語である方がよさそうです。
「私以外、私じゃないの」
なんてのも、どこか哲学的であり、ベッキーみたいな手練れでさえも引っかかってしまいます。
「賛成の反対なのだ」
ご存知バカボンのパパのキラーパス。ただの反対じゃありません。「これでいいのだ」とダメを押せば、主張が何でも通ります。
「戦闘が行われていない。だからこそ非戦闘地域だ」
いいですねぇ、非戦闘地域とは何だと聞かれての小泉節。人生いろいろ、会社もいろいろです。
「ジャイアンツは永久に不滅です」
これもねぇ、不滅なのは永久だからです。60歳の誕生日を祝ってもらって「私も初めての還暦を迎えて…」と言った人は「今年初めての開幕戦」「1年目のルーキー」「疲労からくる疲れ」なんてことも言ってました。
「うちはうち、よそはよそ!」
これは各家庭で使われていたのでは?
トートロジーとは「私は私であり、君は君である」のように等値を示す語によって同じ言葉を繰り返すことで、文学や評論における表現技巧のひとつとして用いられます。日本語では同語反復。当たり前なので、論破するのは難しいってとこ、面白いですね。