選球眼に関する指標というのがあって、昨季のボール球に手を出さない両リーグ好打者ランキングベスト20に、楽天の打者は7位浅村8位小深田11位島内19位鈴木と4人が名を連ねていました。1位は誰だったかというと、これが日本ハムの西川遥輝で、今季からチームに加わります。
したがって、チームには粘っこいバッターがズラリと並びます。昨季もイーグルスはリーグナンバーワンの四球獲得と出塁率ですからね。これは大きなプラスファクターです。
しかしながら、楽天最大の問題点は右打者が不足していることです。
鈴木・小深田・茂木・辰巳・岡島・島内・銀次・山﨑・渡邊と左打者だらけのところへ、西川に加えて新外国人としてマルモレホスという左打者を連れて来る不思議。GM制度を敷いている球団とは思えません。石井兼任監督は名ばかりだということが、よくわかります。
ちなみに、昨季の左打者たちの左投手に対する打率は以下のとおりです(カッコ内は右投手に対する打率)。
鈴木 .296(.270)
島内 .287(.244)
岡島 .273(.286)
銀次 .256(.294)
茂木 .248(.267)
小深田 .227 (.259)
辰己 .202 (.237)
山﨑 .172 (.308)
渡邊 .154 (.315)
打率だけ見れば、それほどマイナスではありませんが、実は火力がなくなっている。右投手から76本打っているものの、左投手だと32本しか打てていません。したがって、左打線だと攻撃力が落ちるということがハッキリしているのです。
投手陣もすっかり高齢化してしまい、岸(37)涌井(35)田中将(33)則本(31)とピークを過ぎたビッグネームが蓋をして、若手の出番を奪っている感じ。これも目先のことに囚われて、将来展望を見失っており、GM機能からは程遠い気がします。それぞれの年俸は高いので、コスパが悪く、普通の経営者は嫌いますよね、そういうの。
そして、昨季のチーム盗塁企図数、盗塁成功率はリーグワースト、犠打企図数は一位だけど、犠打成功率は最下位。つまり、作戦がことごとく裏目に出ているのを窺わせる数字でありまして、らしいっちゃらしい。野村克也の教え子っぽくないねぇ。
申し訳ないんだけど、どうも石井一久監督(と三木谷浩史オーナー)を好きになれないんです。楽天的過ぎる。ごめんなさい。