球界の30、3%を占めるサウスポーですが、これを昨季セ・リーグ投手全投球イニングス7515回のうち、どのくらい投げていたかを調べてみたら、なんと2498、1回つまり33、24%にもなっていました。全体として、左腕投手の能力が右投手を上回っていたことになります。
次に、ホームランを打たれた投手を左右別に見てみると、セ・リーグ754本塁打のうち左腕投手からのものが243本で32、23%でした。
これは、左ピッチャーが投げた方が、ホームランのリスクが低いということです。左投手が投げ込んでくるインコースに戸惑う右打者も多いようで、その投手の持ちダマによっては、左対右が投手有利ってこともあるようです。
両リーグの規定打席到達打者の左投手を相手にした打率は以下のとおりです(*は左打者)。
1位 桑原(横).362 1位 *近藤(日).365
2位 牧(横) .346 2位 *吉田(オ).345
3位 *佐野(横).341 3位 荻野(ロ).338
4位 宮崎(横).331 4位 *柳田(ソ).314
鈴木(広).331 5位 *森(西) .313
6位 *坂倉(広).324 6位 杉本(オ).311
7位 *村上(ヤ).316 7位 レアード(ロ).310
8位 大山(神).313 8位 *鈴木(楽).296
9位 坂本(巨).312 9位 *栗原(ソ).292
10位 オスナ(ヤ).311 10位 *島内(楽).287
セ・リーグはベイスターズの選手が上位を独占しました。規定打席には達していないものの、オースティン選手も.284を記録しているし、右のパワーヒッターであるソト選手もいる。これでは、なかなか左投手を起用する気になれません。他球団は神経質になっているハズです。
何故そんなことが起きるかというと、今永・濱口・エスコバー・砂田・東・石田・坂本とベイスターズには優秀な左腕が揃っているわけですが、DeNAの打者たちは、彼らを相手にしなくて良いからだというのが大きな理由と思われます。
面白いのはヤクルトのレギュラー陣が高い数字をマークしていること。それぞれ右投手と左投手との対戦成績を列挙しています(*は左打者)。
【右投手】 【左投手】
青木* .246 6 .280 3
山田 .254 21 .308 13
村上* .257 27 .316 12
サンタナ.282 13 .309 6
中村 .272 0 .293 2
オスナ .236 9 .312 4
西浦 .215 1 .234 4
全員が揃って右投手の時より打率が上がっています。このケースは、指導者の教え方に秘密があるような気がしています。このチームに対しても、迂闊に左投手を出せません。
パ・リーグは規定打席に達した29人のうち、21人が左打者です。そんな中で、上記の10人は、全てが右投手よりも左打者からの打率が高くなっています。つまり、左投手を克服できた打者こそが一流の証ってこと。これもまた、興味深いデータです。