その昔、江夏豊はタイガースのエースとして九連覇のジャイアンツに立ち向かい、プロ入り2年目には年間37試合に先発、リリーフでも12試合に投げて、329回で401奪三振と、信じられないような記録を残しました。とにかくスゴいピッチャーで、オールスター戦での九者連続奪三振は、ケタ外れでしたし、1973年には延長11回をノーヒットノーランで投げ切り、自らのサヨナラホームランで決着をつける離れ業を成し遂げています。
しかしながら、その頃から左肩に変調を来し、長いイニングを投げられなくなって、先発完投から抑え投手へとモデルチェンジしました。
結局、実働18年で206勝193セーブの記録で現役を終えたわけですが、大事に起用されていれば、もっと数字を残したのではと思ってしまいます。
当時の野球漫画は、それ以上の活躍を求められたので、どんどん現実離れしたストーリーに昇華していきました。プロ野球が最も輝いていたころの話です。
佐々木朗希の二試合連続の快投は、漫画でも想像がつかない快挙でありました。
だけど、もっと驚いたのは、8回でお役御免とした井口監督の采配に対し、メディアや評論家たちがほとんど異議を唱えなかったこと。
2007年の日本シリーズにおける山井投手の降板については、ネガティブなメッセージが圧倒的でしたが、時代は変わりました。
大リーグでも、数日前にドジャースのカーショー投手が7回まで一人のランナーも出さずにいたのに降板する事件が起きていました。
それも、投手の肩を考えてのことだと言います。つまり、目先の問題に捉われることなく、長い目で考えるって立場で、その判断はAI(人工知能)っぽいと改めて思いました。
星飛雄馬は、完全試合の実現に向けて、大リーグボール3号と共に投手生命を終わらせましたが、そういうのは古い考え方なのかもしれません。
意気に感じてだとか、少々の怪我を隠してなーんてことは、間違っているというのが現在の正解らしい。
いや、いろんな考えがあってこそ、面白い世の中だというのもまた、正しいと思ったりするのであります。見たかったなぁ、二試合連続。