ロバート・ゲラーというけったいな関西弁の地震学者がいます。
彼の研究から導いた結論は、「地震の予知なんてできっこない」です。だから、多くの研究費を投じてもムダだと。
UFOの研究をしている人が、「そんなものは存在しない」と言ってるような話で、同業者からのウケは悪いと思います。
現実には、南海トラフ地震が高い確率で近々起きるとの前提で、法整備が行われ、毎年100億円規模の予算が付けられています。
静岡のテレビ局の東海地震に関する報道は、首都圏とは比較にならない量の多さであり、県民は近い将来起こるものとして結構信じています。
まぁコロナと同じで、悪い方を言っておいた方が、もしものときに非難されずに済むってことなんでしょう。保険会社の手口と一緒とも言える。
地震ねぇ。
個人的には、揺れること自体はあんまり怖くない。だけど、津波は怖い。海のそばは、できれば住みたくないもんであります。
『M8』(高嶋哲夫著・集英社文庫)は、首都圏にマグニチュード8の直下型地震が起こる話です。
なるほど、そんなもんが起きてしまうと、建物の倒壊や火事のほか、電気・水道・ガス、交通機関の復旧、食料の確保、避難所の手配など、考えなきゃいけない問題が一度に襲ってくるので、準備ができていないと大変だということが、よく分かりました。
マニュアルを読ませるよりも、教育効果が高いと思います。
ストーリー展開としては、意外性に乏しく、あまり興奮できず残念。77点。