今年度の江戸川乱歩賞『此の世の果ての殺人』(荒木あかね著・講談社)を入手しました。
乱歩賞史上最年少となる23歳女性の作品は、審査員満場一致で受賞とのことで、期待して読んだのですが…
2か月後に小惑星が日本に衝突して人類が滅亡することが確定し、無法地帯となった社会で起こった連続殺人の真相を追うという話です。
主人公は、福岡県在住の自動車教習所に通う若い女性なんだけど、この設定がコントです。惑星の衝突予測地点は熊本県で、多くの住民が国外逃亡を図ったり、世を儚んで自殺する中、教習所に教官が一人だけ残っているところからしてどうも…
社会インフラがストップし、略奪が横行しているときに、若い女性が無防備に外出するなんてねぇ。
作者は人間のいろんな部分がわかっていません。同時に、極めてデジタル思考が強く、殺人をゲームのように捉えている感じに共感できませんでした。
文章は技巧的で、才能を感じるんですけど…72点。