バカリズム原案の『ノンレムの窓2022・秋』が放送されました(今もTVerで観られます)。
ショートストーリーの三部作ですが、その中の『放送禁止用語』がメッチャ面白いです。
「男女平等の観点から性別を言うのはやめて、人間と呼ぶように統一が図られ、そのあたりから言ってはいけない言葉が急増した…」
てな感じで始まるドラマは、誰も傷つけてはいけないとの観点から、テレビで言ってはいけない言葉の縛りをどんどん掛けていきます。
・◯◯県からは、県のイメージを損なうとの抗議を受けるかもしれないので、事件が起きたとき、場所を特定するのは好ましくない。
・過激表現撲滅協会からは、強盗とか殺人とか地震などの言葉をNGワードとするように要請があります。もっと軟らかい表現にせよと。
・視聴者からは、タレントとの呼称は不遜だとの苦情があった。才能がない奴もいっぱいいる。
・徹夜明けの人に配慮して、おはようとは言えず、新しいかどうかは分からないので、ニュースというのもおこがましい。
そこで「昨夜、栃木県のコンビニに男が刃物を持って強盗に押し入り、店員に金を出せと脅して現金を強奪しました」の報道はこうなりました。
「昨夜、関東近辺にある24時間営業の店舗内に、一人の人間が刃物を好ましくない方法で使用し、店員に好ましくない言葉をかけ、店側に好ましくない結果をもたらしました」
なるほど、当たり障りがないってこういうことか…じゃないです。
どこどこに配慮して自主規制を続けるテレビ局に対するアンチテーゼがバカリズムの真骨頂なのです。
会社組織では、決められたことに対して疑問を持つと、いいことはありません。正しいかどうかよりも間違いじゃないことの方が重要であると。
そういうことも含めて、集団でアホになっていくのを俯瞰して描くと、バカリズムが出来上がるのであります。リズムというよりイズムな感じ。
バカイズム、分かるなぁ。