都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

バカと無知②

古代ギリシャの哲学者であるソクラテスは「無知の知」という言葉を残しています。自分が何も分かっていないことを知っているという意味だそうで、さすがは哲学者、深いねぇ。

松下幸之助は「わからなければ、人に尋ねることである。どんな人のどんな意見にも、おのずから得るものがある。お互い知識のないことを恥じるより、教えを乞わないことを恥じたい」と言いました。誰に習ったんでしょうか?これも卓見です。

最近の若い人は、知らないことを必要以上に恥ずかしいと思うんだそうです。

逆に、知らないけど堂々としていると芸になる。珍しいですからね、そういう人。

そこに目をつけたのが『呼び出し先生タナカ』です。高学歴芸人のアンガールズ田中卓志が先生役で、アホ丸出し芸人をイジりまくる。昔、『めちゃイケ』で岡村隆史がやっていたのと全く同じ内容ですが、制作が同じ局なのでいいとの判断でしょうか? 『ヘキサゴン』もそうだけど、フジテレビはこの手の企画がお好きなようです。

で、横川尚隆や村重杏奈、島太星らの知識がないことが売りのタレントが、ポジションを獲得しました。

難しいのは、正解が分からないだけじゃダメで、上手くボケながら間違えること。やり過ぎると、明石家さんまの『ご長寿クイズ』みたいになるので、制作側のセンスが求められるのです。恥じらいがなくなったら、替え時なんでしょうね。見極めが大事です。

 

橘玲の『バカと無知』では、近年の脳科学の研究で、自分より下位の者と比べる下方比較では報酬を感じ、上位の者と比べる上方比較では損失を感じるとしています。脳にとって、自分より劣った者は報酬で、優れた者は損失だということです。

なるほど、おバカ芸能人を見ると安心し、ホリエモンとかひろゆき、あるいは橋下徹みたいな人に対しては、正義の名の下にやたらと粗探しするのが最大の娯楽となったと言います。これは国内だけでなく世界的な風潮で、過去の不適切な行為を指弾するキャンセルカルチャーとかあらゆる差別的な言動を許さないポリティカルコレクトネスなんて言葉が生まれました。

そういう社会でインターネットの果たす役割は大きなもので、過去を消すことが難しい以上、公職に就こうとする者は、どんどん少なくなっていくのであります。

(つづく)