都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

強く生きる言葉

日曜の夜にやってる『だが、情熱はある』というマニアックな番組で、南海キャンディーズ山里亮太とオードリーの若林正恭が売れなかったころを描いておりますが、二組を演じている役者さんが外見はもとより、喋り方までソックリで、感心しながら見続けています。

青春ドラマであり、物真似パロディであり、人生訓でもある。人のダークサイドである「ねたみそねみ」をこんなにしつこく、わかりやすく表現したドラマは見たことがありません。

昔、萩本欽一さんと仕事をしていたとき、欽ちゃん劇団に一人、メチャクチャ面白い芸人がいました。だけど、売れてなくて、テレビで見たことがない。「どうしてなんですかねぇ?」と何気なしに聞いたところ、大将は一刀両断。

「あいつ、性格悪いから」

えっ? そんなのお客さんにはわからないし、芸人の資質と関係ないんじゃないかと思ったけど、議論するような内容じゃないし、哲学的な話として、頭の片隅に置いておりました。

その答え合わせをドラマで見せられたように思います。なるほど、性格が悪いと、応援する人が離れて行くってことなんだ。足を引っ張ろうとする人間を減らすってことでもある。芸人に限らず、すべてに通用する話ですね。

ドラマの中で、相棒ばかりが脚光を浴びて悶々とする若林正恭は、岡本太郎の著書『壁を破る言葉』をバイブルとして愛読しています。

そういえば、前に岡本太郎の本を買ったなぁと書庫を探ったら、出てきました。『強く生きる言葉』(イーストプレス)。30分足らずで読める岡本氏の名語録です。何でこの本を買ったかというと、何かの時に彼が「あらゆる恋愛は片想いである。何故なら、男と女が全く同じ分量で好きになるなんてあり得ないからだ」と言っていたことに深く感銘を受けたからです。

で、改めて読み返しました。

 

「感性を磨くという言葉はおかしいと思うんだ。感性というのは、誰にでも瞬間に湧き起こるものだ。感性だけ鋭くして磨きたいと思ってもダメだね。自分自身をいろいろな条件にぶっつけることによって、初めて自分全体の中に燃え上がり、広がるものが感性だよ」

「期待というのは、自分自身に対して持つものであって、他には期待しない。みんな、人に期待したり、なぜ英雄は出ないのかなどと、そんなことばかり言っている。自分こそがとは誰も言わない。尊敬する人を持つことは甘えだと思う。それよりも、感動を大切にしろと言いたい」

「自分に忠実だなんて言う人に限って、自分を大切にして自分を破ろうとしない。大事にするから弱くなってしまうのだ。己自身と闘え。自分自身を突き飛ばせば良いのだ。炎はその瞬間に燃え上がり、あとは無。爆発するんだ。全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッと開くこと。それが爆発だ。人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発し続けるべきだ。僕が芸術というのは生きることそのものである」

う〜ん。天才の話、参考にはならないねぇ。