ちょっと前の話ですが、親交のあった萩本欽一さんは、「最近の笑いにツッコミがいなくなったのは、テロップのせいだ」と言っておられたのが印象的でした。だから、ボケるタレントが溢れていて、ツッコミはテレビが入れてくれるんだと。
確かに、ツービートだとか紳助竜介だとかB&Bだとか、漫才で売れていても目立つのはボケの方ばかり。相方は、「なんでやねん?」のタイミングさえ間違えなければ、それでいいという感じでした。うなずきトリオなんて、自虐的なユニットも誕生したぐらいです。
そうした状況に風穴を開けたのが、ダウンタウンの浜田雅功だといいます。漫才の歴史は、浜田以前と以後に分けられる。
そんな話を番組にまとめたのが、NHKの『笑いの正体』でした。
一昨日の放送では、「ツッコミ芸人の時代」というテーマで、博多大吉・さまーず三村・バイきんぐ小峠・フット後藤・ハリセンボン春菜・オズワルド伊藤・銀シャリ橋本と7人のお笑い芸人がツッコミの哲学を語っていました。お笑いの技術論です。
こういうところが、NHK制作スタッフの余裕です。何でも分析してしまう。
いや、これはお笑い好きにはたまらない時間でした。何故、面白いかの技術論は、スピードガンやトラックマン、ラプソードなどの機器と巡り合ったような衝撃です。
見ていない方は、NHKプラスで是非。鎌倉殿の最終回に匹敵する面白さです。