都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

WBC総括

深夜の会見を終え、帰国のため早朝に出発したチームメートをホテルのロビーで送り出したメジャープレーヤーは、ダルビッシュ有だけでした。

事情を知らずに想像すると、大谷・吉田は寝ていたと思います。

これが、A型とB型の違い。また、怒られるかな?

 

さて、興奮が冷めやまらないので、オマケで気になったことを書き留めます。

(1)今後流行りそうな守備シフト

イタリア戦で、相手守備の裏をかくようなバントを試みた大谷翔平ですが、前の打席でセンターへ抜ける当たりをシフトに阻まれたことに対する意趣返しとなりました。その代わり、長打は出ない。守備側からすれば、敬遠の変わりだと考えれば良いのです。なるほど、マン振りする引っ張り専門の打者は、意識過剰になりますからね。局面によって使い分ければ有効な戦術だと思います。

(2)盗塁の価値

投手の牽制技術が上がり、捕手の肩が強いことが捕球技術以上に評価されるようになって、成功率7割程度の盗塁でリスクを犯す考えは少数説のようです。全バッターがホームラン狙いの野球では、もったいないと考えるらしい。侍ジャパンだけが、コーチがストップウォッチを持って、盗塁の機会を狙っていました。武器が一つ余分にあるような感じでした(成功10失敗1)。

(3)クィックモーション

ランナーが出たときに、クィックで投げられないのは野球後進国だけだと思っていましたが、メジャーの一線級でも気にしていない投手が結構いるってこと、驚きました。打たれなきゃいいんだろうの傲慢な考えは、自信に支えられたもの。2ストライク後もフルスイングする打者の思想に呼応したものです。ここに、日本野球が付け入る隙があるのです。

(4)ソロホームランの秘密

勝戦でのホームランは、日米共に走者ナシにおけるものでした。ランナーがいると、意外に大きいのを打たれない。それは何故か?

クィックモーションで投げるからです。牽制球のこともあるので、打者はタイミングが取りづらい。バットを大きく振り抜くには、そこそこの間が必要だってことなんです。

(5)源田のスリーバント

準決勝を振り返ったとき、2点差を追いかける8回裏ノーアウト一二塁で、打者源田壮亮の場面、2-2から送りバントを決めたところが勝敗の分かれ目だったように思います。2球続けて失敗してましたからね。それでも、サインを出し続けた采配は肝が据わっているし、決めた源田もスゴい。こういうところが、選手を信頼する栗山野球なんですね。だけど、誰にでもバントさせるようなことはしない。ここなんだよなぁ。

(6)村神様

準決勝の最終回、無死一二塁で不振の村上宗隆に打順が回ったとき、ベンチに動きはありませんでした。まるで、結末が分かっていたように。

野球の監督は、自分でプレーしない分、その存在感を見せつけるように選手交替や盗塁・バントをやりたがりますが、栗山監督の場合、裏付けとなる理屈が必要で、評価をころころ変えるようなことはしないのが特徴的です。ブレないってこと。だから、言葉にウソがありません。信頼というのは、そういうことだと思います。

(7)代走周東佑京

準決勝のサヨナラの場面、切り札周東の投入は、二塁ではなく一塁ランナーとしてでした。栗山監督には、逆転のシーンが見えていたのではないでしょうか?前に筋書きのないドラマと言いましたが、今回のWBCに限っては、栗山脚本であったような気がします。

(8)四球の功罪

決勝の5回表二死一二塁、高橋宏斗投手は本塁打王シュワーバーを迎えてカウント3-0となりましたが、4球めを中飛に打ち取りました。この打席で粘られて満塁になると、次打者が大会ホームラントップのターナーだったので、一気にひっくり返る可能性もあったのですが、アメリカ野球に待球の文字はありません。それがいいのか悪いのか?この日、日本チームは繋ぎに繋いで満塁のチャンスを二度作ったものの、ヒットは出ず、大会通算の満塁時は22打数4安打と結果を残せませんでした。押し出しの気持ちがよぎると思い切りが悪くなるのか?今後の課題ではあります。

(9)向こうから好きだと言わせる色男

勝戦の残り2イニングの登板は、ダルビッシュと大谷の方から志願したんだそうです。監督の指示ではないってとこ、操られていますよね。そういう風に仕向けている。これが栗山英樹のマインドコントロール、人心掌握術です。野球は将棋に似たところがあって、局面に応じて対応を組み立てる。配球は読みの力。ピンチになって、慌てるのでなく、30分以上前から時間をかけて準備するのが大事なんです。優秀な先発投手は、ゲームの後半に至るまでプランをもって臨むものだから、相手のデータをしっかり頭に入れておきます。日本の継投にドタバタしたところがなかったのは、そんな裏事情がありました。

 

本日のNHKBSで、イギリス・チャーチル首相の映画をやってました。チャーチルの妻が夫を励ます言葉でこんなのがありました。

「欠点があるから強くなれる。迷いがあるから賢くなれる」

なんか、沁みました。