ドラゴンズが本拠地とするバンテリンドームは、その広さと外野フェンスの高さから、最も本塁打が出にくい球場とされており、投手有利だというのが定説となっています。逆に言えば、打ち上げるタイプの打者には不利だし、外野守備が結構大事だというのが分かります。落合博満の監督時代は、その特性を最大限に利用して勝ちまくっていました。接戦に強かったのは、偶然じゃありません。
その思いがあったからでしょうか? オフに直近5年の二遊間を支えた京田陽太・阿部寿樹をトレードで放出し、周囲を驚かせました。半ば強引に空けたポジションには、昨年台頭を見せた龍空や福永裕基、村松開人らルーキーを当てこむ方針のようですが、余程の覚悟と我慢がなければ、内部崩壊が起こりかねないと思います。四番を期待する新加入のアキーノは、一発こそあるものの、三振が多い(昨季レッズでは276打席で10本塁打101三振)、来日して適応できない外国人パターンなので、立浪和義監督は我慢できないような気がします。
反面、投手の充実ぶりは、髙橋宏斗の本格化によって、リーグナンバーワンと言っていいでしょう。37歳になる涌井秀章、実はフライボールタイプの速球投手なので、球場との相性が良く、二桁勝利を狙えると思います。大野雄大・小笠原慎之介・柳裕也・松葉貴大と左右のバランスも良く、後ろにWBCキューバ代表のマルティネス・ロドリゲスが控える投手陣は盤石です。立浪監督が守備力強化を狙ったのも、むべなるかな。大事なのは、我慢と信頼です。選手が望んでいるのは、栗山型マネジメント。好き嫌いが激しいように見える立浪監督が、なんか、真逆に思えるのは私の偏見でしょうか?