都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

教場X

水戸黄門』の昔から、勧善懲悪はエンターテイメントの基本です。悪いやつを懲らしめるってのは、そんなに簡単じゃないってことをみんなが知っているので、問題が解決すると便秘解消みたいな爽快感がある。だから、刑事ドラマがなくなりません。

しかしながら、世の中が刑事モノだらけになると、主人公が優秀な捜査能力を持っているだけでは差別化が難しいため、ヤケクソとしか思えないようなタイトルが出現します。

スケバン刑事』『刑事110キロ』『おばさんデカ』『うぬぼれ刑事』『ケータイ刑事』『コドモ警察』『刑事ヨロシク』『刑事貴族』『富豪刑事』『育休刑事』…育休ねぇ…

制作サイドは、タイトル設定から逆算して、ストーリーを展開しているような気がします。自分が演じる側だと気恥ずかしいような…育休ねぇ…

今クールでは、『ラストマン』なんて全盲の捜査官が拳銃を発砲してました。あぶない刑事です。

そして、キムタク演ずる『風間公親-教場0-』。他の刑事モノと一線を画しているのは、捜査するプロセスをハードタッチで指南するってとこ。タネを明かす手品みたいな手法が斬新で、明らかにコンプラに抵触するようなパワハラっぷりも、案外スカッとさせてくれるのかもしれません。究極のドSな物語。BGMを含めた独特の暗くてジメジメした感じ、犯罪現場とはそういうものでしょう。

 

ドラマと並行して原作の『教場X』(長岡弘樹著・小学館文庫)を読みました。

まるで脚本を読んでるように、ほとんど同じ内容だけど、冷静になって考えると「そんなわけないだろ」と思ってしまう。設定に無理があるような綻びを感じてしまいました。テレビはそれをタレントの力で押し切っていたんですね。

珍しく、映像に軍配が上がる作品です。小説は85点。でも、次も読むし、ドラマも見ますよ。風間教官のドSが基本でタマに優しくする手口がヤクザとおんなじで、ハマってしまいました。