都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

騙すカス

中田敦彦の『YouTube大学』で、「強盗事件と闇バイト」を扱っていました。→https://www.youtube.com/watch?v=NPV1l84feJw

これが実によくまとまっていて、銀座の覆面強盗が何故起きたかの背景をわかりやすく解説しています。

実行役の捨て駒となるアルバイトの入り口はTwitterだそうです。「高収入バイト」「現金回収業務」「初心者大歓迎」「やったことない人でも大丈夫」を誘い文句として、お金に困っている若者を釣り上げます。「アマゾンギフト贈呈キャンペーン」にリツイートさせることで引っ掛けるのも有効だと言います。

連絡手段としては、秘匿性が高いテレグラムを使います。しばらく経つと情報が消えてしまうってとこがいいらしい。

そして、面接の代わりだと言って、個人情報を入力させます。住所・氏名・勤務先・電話番号・実家の住所・両親の名前・身分証明書の裏表の画像・身分証明書を持っている自撮りの動画…普通、そんなの要求されたらヘンだと思いますけどね、思わない人もいるんです。面接の代わりですから。即金で10万円もらえるって餌が付いていますしね。

そうやって環境を整えたら(?)、簡単な仕事から始まります。

スマホの一日レンタル」とか「新たに開設した銀行口座の名義貸し」とかです。飛ばしと呼ばれる詐欺行為の常套手段のためです。

これに一度でも手を染めると、種明かしをされます。つまり、お前は重大犯罪の片棒を担いだのだと。もう抜けられない。辞めるんだったらツイッターでお前の情報を拡散させるぞと。

こうして「受け子」の誕生です。オレオレ詐欺の初級編、キャッシュカード詐欺へと。これが第一段階。

次のステップは、「出し子」です。コンビニATMで、現金引き出しを行う。

さらには、「かけ子」。綿密に作り上げた台本に基づいて、電話をかけまくる。一味はアジトを特定されないため、ミニバンで移動しながら行ったりします。

やったことがある人はわかると思うけど、一日中電話をかけ続ける仕事は異常なストレスです。だから、ネットに情報を晒されてもいいから辞めさせてくれと根を上げると、それじゃあお前の家族がどうなってもいいんだなが決めゼリフ。こうして、最終ステージ「叩き」と呼ばれる実行役が回ってくるのがパターンです。押し込み強盗のことなんだけど、事前情報がバッチリだから、言う通りにやれば大丈夫だと言いくるめられて…。このあたりでは、判断基準が狂っているから、その気になるわけです。そもそも貧困からの脱出という大きなテーマがありますしね。

 

という内容は、『ルポ 特殊詐欺』(田崎基著・ちくま新書)をベースにまとめたと言います。

それを40分弱にまとめる力量は、さすがでありました。あっちゃん、カッコいい!

それにしても、ここ数年で一般人のカラオケが実力アップしたように、普通の人たちの演技力が高くなっているように思います。なんだかなぁ。