都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

情弱ビジネス

中古車の販売なんて、それだけであれば、さほど利益の出るもんじゃありません。

余程、安く買い叩くか、高く売り飛ばすか。

だけど、今どきはネットで簡単に比較できるので、そんなに無茶な価格設定とはできない。

となると、ものすごく大量な取引を行なうか、従業員の給料を出し渋るか。

ビッグモーターは、それとは違う道を選びました。損害保険会社の活用と、車検時の嵩増し請求です。

 

もともと損害保険の仕組みは、生命保険と違って対象物がモノなので、誤魔化しが起こりやすく、保障も言い値に近いため、支払い時におけるトラブルが半端なもんじゃないんです。

私は昔、生保の査定業務に携わったことがありますが、部下の契約社員に元損保査定担当だった女性がいて、困難な業務への労いの言葉をかけたところ、損害保険のクレーム処理はこんなものではないと、ケロッと言われました。損害請求の7割は、トラブルになるんだそうです。なるほど、生保の場合、金額が決まってますから、通常支払い案件で、文句を言われることはほとんどありません。だけど、損保では、支払いの件ですら、多少の揉め事があるらしい。

その際、影響力を持つのは、関与する代理店の規模です。

取引が多い、つまり売上げの大きな代理店に、親である損害保険会社は頭が上がらないんです。何故なら、損保代理店は、複数社の兼業が可能なので、いつでも浮気される状態にある。A社があんまり固いことを言うなら、B社に切り替えたっていいんだよ、と。

自動車保険なんて、一年の短期契約ですからね。乗り替えが簡単に出来る。そこで、大手代理店と損保会社との間で、おかしな握りが頻繁に行われる構図が出来上がります。インチキに目を瞑るってこと。

そう、今回発覚した件は、保険会社もグルだったハズだと睨んでいます。気付いていなかったハズがない。

兼重っていう名前、山口県の名前なんです。苗字に「兼」とか「重」とか付いた名前がやたらと多い。最近、やたらと出だした村重杏奈山口県だし、道重さゆみなんてのもいましたね。で、創業者の兼重宏行は岩国出身。ビッグモーターは山口県岩国市の小さな中古車販売業でした。私が山口県で生保の営業をしていた1990年代は、ほんと、細々とやってたんです。全国展開だなんて、信じられません。

だから、見方によっては、やり手なんですね。敏腕経営者。

時流に乗って、どんどん大きくなったけど、そのうち傲慢さが膨らみすぎたんでしょうね。成長の陰に、損保会社関係者の存在も感じます。

当時の岩国支店担当者、怪しいんだなぁ。

 

それと、車検について。

流れに乗ってしまうと、ほとんど一方通行ですからね。これも、安いからと言って、他社に乗り替えることなく、ズルズル関係が続きやすい。

お客様との接点を大切にすれば、多くの顧客はコントロールしやすいんです。そういう方針の大手中古車販売店は珍しいかもしれませんね。

だから、経営者が頻繁に店舗を回り、お店の清潔度や従業員のマナーに口うるさく言う。いいことなんですけどね、それは。

だけど、業界の闇である「車検」については、叩けば埃がいっぱい出そうです。

これ(損保請求と車検)は、ビッグモーターだけでなく、業界全体の体質の問題でもある。そう簡単に収まりそうにもありません。

情報弱者とされる、いわゆる業者の言いなりになる人は、ほーんと多いですからね。野菜の値段には敏感だけど、10万円単位のビジネスって、相場が分からない。そこが付け目の一気呵成ってことです。美容整形やインプラント、それにシロアリ駆除や着物買取りなどにも同じ匂いを感じています。水のトラブルってやつも、いい加減な業者が多い証拠といえるでしょう。ネットで調べたりするのが苦手な高齢者、つまり情報弱者があらゆる詐欺っぽい商法に騙されていくのです。

 

それにしても、CMで会社の顔をやってる佐藤隆太はいい迷惑ですよね。タレントが不祥事を起こすと違約金を求められますが、こういうケースはどうなんでしょうね。イメージを傷つけられたタレント。

それと、もしかしたら、ビックカメラもイメージが傷ついたって怒っているかもしれない。ゼロではないよなぁ。