私が7年間暮らしていた山口県下関市の豊田町というところは、冬場には結構な積雪があったりするので、事故車が多く出たりします。
地元で一番の修理工場は、地元で一番の損保代理店であり、唯一、大型のレッカー車を保有していたりする。だから、夕刻から深々と雪が降り出したりすると、稼ぎどきとばかりに手ぐすね引いて待っています。田畑の畦道なんか、運転を誤れば、吊り上げて牽引するレッカーが必要になりますからね。そして、修理には時間がかかります。その間には、代車を用意するわけで、保険が効くからと高級車のマークⅡにしたりします。そうやって、二重三重に儲かる仕組みなんだと経営者が自慢げに話していたのを思い出します。
田舎の場合、選択肢がないから、全てが一極に集中しやすい。元請けの損保会社とはズブズブになって、ロクな調査もせず、事故率の高さに目をつぶって請求を通していくんです。営業現場は、売ってナンボですから、おかしいなと思っても傲慢を許す。軽自動車の代車がマークⅡでもです。
このイメージが、ビッグモーター事件の構図です。
事故ったときには、損保会社が指示する修理工場へ行くのが「入庫誘導」と言われる業界の慣わしで、その受け皿としてビッグモーターが使われておりました。その際の工賃等費用は、ダンピングされている可能性が高いものの、勝手にキズを加えれば、充分に挽回できて、お釣りが出る。
損保側は、査定を甘くするので大丈夫。その代わり、車検の時の自賠責保険を回してねって関係です。
ゴルフボールでボディを凹ませたなんて話は、損保の問題でありまして、ワイドショーが今ひとつ歯切れが悪いのは、損保ジャパンが大口のスポンサーだからではないかと勘繰ってしまいます。気が付かないわけがないと思うんだけど。修理会社と損保代理店が同じってのは、医者と薬局がくっついているようなものですよね。損害保険の不正請求は、他にもたくさんあるハズです。金融庁は、損保会社を徹底的に調べた方がいい。そういう意味では、忖度が少ない監督庁なので、激震が起こる可能性もあります。こういうとき、暗躍する政治家もいるんだろうなぁ。
(本編は7/23のブログ「情弱ビジネス」の続きです)