都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

その後のビッグモーター問題

その昔、保険会社にはMOF担と呼ばれる大蔵省(現財務省)の専任担当者が配置されておりました。

用もないのに顔を出しては、情報の収集にあたるのが仕事です。

保険募集の在り方から、事故査定、保険料の集金業務、資産運用に至るまで、チェックポイントがやたらと多いので、叩けば埃が出るネタがたくさん転がっている業界との共通認識があったのです。同じ金融機関でも、銀行と違って素人同然のオバちゃんや意識の低いオッちゃんたちが最前線のプレーヤーでしたからね。危なくってしょうがない。だからの転ばぬ先のMOF担。

一方で、大蔵省からの天下り枠もありました。任務は、検査が入る日を事前に察知すること。古巣にコネがあれば、そんな情報が簡単に手に入った時代です。これは、鼠取りが行われる場所と時間を知らされるようなもの。そういうズブズブの関係で、成り立っていたのです。

1998年、大蔵省が接待絡みの不正追及を受けて、金融庁が誕生しました。そこから一気に風向きが変わり、蜜月時代は終焉を迎えます。つまり、一度検査に入るとなると、容赦なく諸々が暴かれるようになったのです。泣く子も黙る検察庁特捜部のイメージ。元々が、隙だらけで仕事をしていますから、そりゃぁもう大変です。

今回、特に問題となっているのは、損保ジャパンの内部文書に全てのビッグモーター社からの案件については、損害調査を行わずにスルーせよとの内容です。これによって、ゴルフボールでキズをつけるのが罷り通ったというのです。スゴいですねぇ。損保側は、査定する手間が省けるので効率化が図られ、その配慮によって新規顧客獲得に繋がるというWinーWinの構図。

そもそも自動車の性能が上がり、死亡事故をはじめとする交通事故件数が大きく減少しているにも拘らず、一向に保険料率が下がらない業界の体質にも問題があると言わざるを得ません。その裏には、いろんな知恵をつけた代理店サイドの話もある。生保と違って話し合いで補償額を決める損保業界にとっては、痛い腹を探られることに進んでいきそうです。