都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ショットクロック

中学のラグビー部時代の話、我々のチームは年間2勝(うち一つは不戦勝)10敗の弱小チームでしたが、一緒に合宿を行う姉妹校は、小学校からの経験者が揃い、東日本大会優勝を誇る強豪でした。

そのチームの司令塔(スタンドオフ)を務めるタカシマ君は、この代のトップを走る天才プレーヤーで、大学や社会人の試合でも滅多に見られないドロップゴールをバンバン決めていたのを思い出します。

ある日の試合では、相手のタックルを受けて倒れ込み、動けなくなっていたので、やかんを持って駆けつけると、チームメイトにだけわかるようにイタズラっぽく笑いかけていました。後で聞くと、チームの足が疲労で止まりかけていたので、時間を止めて、落ち着かせたのだとのこと。つまり、多くの経験を経て、たくさんの試合を見てきた彼は、その情報量の違いからも頭に浮かぶ景色が全く違っていたようです。引き出しの多さによって、こんなにも表現するプレーに差ができるものだと学びました。

 

ラグビーW杯では、今回の大会から「ショットクロック」という仕組みが採用されました。

コンバージョンキックは90秒以内、ペナルティーキックは60秒以内に蹴らなくてはならないとするものです。

これまでは、五郎丸選手の忍術っぽいパフォーマンスやニュージランドのダミアン・マッケンジー選手による微笑みのルーティンなどがあって、そういうのを楽しみにする向きもあったのですが、時間管理が厳格になったことで、そういうパフォーマンスが少なくなりそうです。

意図的な時間稼ぎは許されない。

昔から反則に厳しかったラグビーは、ビデオや時計の導入で、より客観性が高められるようになっています。

レフェリーに職人的なスキルを求め、絶対的権力者であったような時代は遠い昔となりました。いいことだと思っています。