中学3年のとき、陸上部の幽霊部員だけど、そこそこ足が速かった私は、ラグビー部に誘われました。
当時の中学ラグビーは、12人制で行われていましたが、それでも人数が足りず、キャプテンだったシマザキ君にお願いされてのものです。
上級生がいませんから、自由にやってました。
世の中の上下関係を甘く考える土台は、この頃から始まっていたように思います。運動部だけど、自由。
と言いながらも、練習は真面目にやります。知らないことだらけなので、繰り返しながら身体に覚えさせなきゃってことで。
最初はフォワードでスクラムを組まされたんだけど、これがキツかった。
今でこそ90㎏ありますが、当時は53㎏ですからね。だけど、贅沢は言えません。他のみんなもスラっとしたのばかりなので。
いや、早い話、チームは弱かったんです。確か一年間で2勝10敗(一つは不戦勝)。負けてもあんまり悔しくありませんでした。
このチーム、実は伝統があって、試合前に必ず「部歌」を歌うことになっていました。
『白凱々(はくがいがい)の雪に居て
球蹴れば銀塊(ぎんかい)飛ぶ
黒黄(こっこう)の猛きしるしには
清浄(せいじょう)の誉れ高し
勇めよ我が友よ
いざ行けいざ行けよ
正義の旗なびき
自治の剣輝く〜🎵(以下略)』
こういうのって、強いチームだとかっこいいんだけど、2勝10敗(一つは不戦勝)ですからね。
歌い出しからしばらくは、キャプテンの独唱です。「いざ行けいざ行けよ」からが全員での合唱。ところが、シマザキはなかなかの音痴でして、鼓舞するというよりも笑わせようとしているとしか思えない。恥ずかしかったなぁ。今もやってるんだろうか?
今夜、フランスで開催されるラグビーW杯を前にフィジーとの前哨戦が行われました。
フィジーは、東京五輪の7人制ラグビーで金メダルの実力者です。
試合前には、「ジンビ」と呼ばれるウォークライで気勢を上げます。こういうの、強いチームだとカッコいい。
そして、実際、スピードがあって、本当に強かった。本戦でも活躍するんじゃないかな。
日本チームは、前回大会に比べ、スクラムで組み負けることが多くなったように思います。ほとんどメンバーが一緒ってことは、新しい戦力が育っていないんですね。ちょっと心配です。