少子化の最も大きな問題点は、労働力不足です。
職種によっては、若年労働に頼らざるを得ないのですが、いないんだからしょうがない。
そこで、目を向けたのが出稼ぎにやって来る外国人です。
だけど、右翼を中心として、移民についてはアレルギーがあります。鎖国の過去を持つ島国なので、外国人を受け入れた経験がほとんどありません。そんな国は珍しいんですけどね。
だから、滞在期間を区切ったり、家族帯同を認めないなど人権蹂躙とも取れるような政策で、お茶を濁しました。
その集大成が、「技能実習制度」です。
その立法趣旨としては、「技能実習は労働力需給の調整手段として行われてはならない」とあるんだけど、それは建前の話。
外国人が日本に滞在する期間中に業務についての技術を学び、それを母国に持ち帰って、貢献する人材を育てるための仕組みだと信じている人は一人もおらず、発展途上国に対する出稼ぎシステムってのが本音だというのは公然の秘密です。
それでも、日本が世界経済のトップリーダーであるうちは、そういう不遜な態度が黙認されていたものの、そうはいかなくなりました。
就職先の国として、選ばれなくなったのです。
(つづく)