企業が外国人を仲間として招き入れるときに、日本語教育に時間とお金をかけることが多いと思いますが、それよりもまず徹底させたいのは、受け入れる側の日本人教育です。
これをやっておかないと、いろんな誤解が生まれるし、外国人たちが孤立してしまうからです。
当事国の文化や歴史、風習など、それなりに時間をかけて学習させるべきで、それぞれが興味を持つことで、反応することが出来るのです。
人のコミュニケーションは、「興味を持つ」→「反応する」→「褒める」という順番で成立していくので、最初の扉を開けておくことが大事なんです。
経営者には、この理解が必須でありまして、特に幹部社員へ徹底させることが、成否の鍵を握っているのを忘れてはなりません。
そこそこ話せるようになった外国人に対し、重要なテクニックはできるだけひらがなで話すということ。
心構えとしては、三歳児に話しかけるつもりが丁度いいんです。漢語ではなく、やまとことばです。意外にウケないのは、外来語でありまして、特に英語圏でない外国人に対しては、注意深くありたいものです。
とまぁ、これを教育する側の人にオススメなのは『ひらがなで話す技術』(西任暁子著・サンマーク出版)です。
著書の中で、ひらがなで話しかける第一人者は池上彰だと言っていました。
なるほど、難しい時事用語の解説がわかりやすいのは、彼がひらがなで話すからで、NHK時代の『週刊こどもニュース』メインキャスターの経験が活かされています。
作家の井上ひさしが芝居の脚本を書くときに気を付けていたのは、役者のセリフをやまとことばにすることだったとも言います。
つまり、人が話を聞くときは、ひらがなで聞いているってことを知っている訳で、一流の人はそれを言葉で表しているのが分かります。
そのほか、表情も言葉の一部であるとか、笑顔を活用することで表情が豊かになるだとか、話し方のエッセンスが詰め込まれておりました。
こういうの、社員教育ではイロハのイなのであります。教育は、その前提となる考え方が重要なんだなぁ。