国民栄誉賞を受賞した松井秀喜の現役時代の愛称はゴジラでした。
夏の甲子園大会における試合で5打席連続敬遠という怪物ぶりを称したもので、出来上がった身体といい、超高校級の存在感だったのです。
その桁違いを表現した言葉が『ゴジラ』であり、ゴリラ+クジラってのは合ってるんだかいないんだか?
円谷プロ全盛の時代、怪獣の名前はモスラとかキングギドラとかガメラとか、やたらと「ラ」で終わらせていました。純粋な日本語にラ行はほとんどありませんからね。だから、ちょっとだけありがたい。異国情緒漂うのがラ行なのであります。本人は嫌がっていました。
ゴジラ映画は、通算で30作目だそうです。上映中の『ゴジラ−1、0』。
これまで彼は、いろんな描き方をされてきました。敵だったり味方だったり…放射能を吐き出すってのも、思想的なメッセージであるような。
もし、こんな怪獣が現れたら、日本だけの問題じゃないように思うんだけど、今のところ、そこまで広げると話が複雑になるので、国内問題として扱っているようです。
で、観てきましたよ、最新作。圧倒的なスケールとゴジラの容赦ない残虐性は過去イチです。迫力満点でした。
そして、設定が素晴らしい。現代じゃなくて、戦後間もなくの話にしているとこ、うまいんだなぁ、これが。
ネタバレになるので、何故かは書かないけれど、プロットがホント良く出来ています。
残念なのは、セリフ回しに繊細さが欠けているのと、多くの役者が大根だと感じられたとこ。もったいないと思いました。コントっぽくなっちゃって、端役の安藤サクラが目立ってどうするって感じです。
映画を観る前は、必ずTOHOシネマズの星をチェックして行きます。一応3、6以上を合格ラインとしているので、『沈黙の艦隊』(3、3)なんかは話題になっても行かないけれど、この『ゴジラ−1、0』は4、0でした。多分、会話劇が雑なのと何人かの演技が素人っぽいため、そんな程度の評価に甘んじたんだと推察しておりますが、映画館で観る映画として迫力がエグいですよ。今年度ナンバーワン。まさか、ゴジラ映画で目頭が熱くなるとは思いませんでした。超オススメです。