都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

肝臓で感動

ラグビー観戦では、よほど準備のいい人でない限り場内で飲食ができないので、試合後は周辺のお店へ散って、反省会を行うことになります。

国立競技場のロケーションは絶妙で、最寄り駅が千駄ヶ谷信濃町・外苑前・青山一丁目と分散されているため、うまく人が流れるようになっています。そして、そのお客さんを拾うかのように、飲食店が溢れていて、イベント事の経済効果が実感できます。

とは言え、近場から順に予約で埋まっていくので、計画性なく飛び込もうとした我々は、「申し訳ありません」の決まり文句に流されながら、表参道のちょっと脇道に入ったところへやって来ました。

『南青山 鳥政』のぼんやりしたスタンド看板を見つけました。ちょっと格式が高そうな外観ですが、この際どうでもいい。10軒ぐらい断られた後ですからね。カウンターに二人分の席が空いていて、何のお店かも分からないまま座り込みます。

「とりあえず、ナマ二つ」

それほど広くない店内は、まるで老舗のお鮨屋さんですが、カウンターに置かれた冷蔵ケースには、いろんな部位の鶏肉がぎっしり。どうやら高級焼鳥店です。お店は、50〜70歳ぐらいの板前さんが3人。そして中国人らしきお運びの女性の4人体制です。メニューはありません。お客さんは、コースか半コースを選ぶように誘導されます。値段は不明ですけどね。いや、ファミレスと真逆の雰囲気は、会話のボリュームも抑えがちになります。そして、場所に応じて野暮を封印するのが、似非ハイソの矜持です。

オープニングは、突出しっぽい三皿から始まりました。板さんは、必要最小限でしか喋りません。あまり説明しない。

で、焼き鳥は、一本ずつ出てきます。一つひとつが大ぶりでカロリーが高そう。

序盤早々訪れるクライマックスはクリーミーかつジューシーなレバーです。こんなの食べたことがない。めっちゃくちゃ美味しかった。レバーで感動するとは、長生きしてみるもんです。スゴい。痛風だけど、発作が出ても仕方がないと割り切れる美味さでありました。

本当のことを言うと、焼き鳥は貧乏臭くて好みじゃなかったんだけど、この店は別格です。

帰宅後、ネットで調べると、知る人ぞ知る名店でありました。特に、ランチで供与される焼鳥丼が有名らしい。日を改めて行ってみましょう。