昔のドラマや映画を観ていると、ビックリするくらい役者のセリフ回しが不自然で、学芸会っぽいのに驚かされます。
ラジオドラマなんかでは、それがさらに際立っていて、聴いていて恥ずかしくなるほどです。
なぜ、そんな風になってるかというと、当時は編集という概念がなかったため、脚本を丸暗記する能力こそが重要で、演技力なんてものは二の次だったからでありましょう。また、草創期に出始めた役者たちにお手本がなかったというのも大きかったと思います。寅さんに出て来る笠智衆なんか、その典型で、全然ありでした。今、あんな感じで出られるのは蛭子能収ぐらい。子役にしても、信じられないくらいリアルに演じるようになっています。
自身の演技力を高めるためには、多くの芸術に触れて感性を磨くことが重要で、そうした努力の差は意外なほどに広がっていく。
それは、野球の世界でも顕著に表れていて、国内からメジャーに目を向けたことによって、一気にレベルが上がりました。
サッカーやラグビーで外国人監督が多く起用されるのも同じような話で、戦術理解が深まると、世界に通用するようになる、そういうものです。
つまり、審美眼が大事だということ。死ぬまで勉強なのであります。