ラジオのCMは、耳だけの情報になるので、通販的な説明調のものが多いです。
その中で気になるのが弁護士事務所による過払い金請求のやつ。
1999年からの司法制度改革によって弁護士が急増し、2000年に弁護士広告が解禁されたことで、急に安っぽくなったような気がします。
てか、インチキっぽい。語り口調が詐欺商法みたいなんです。
「ずっと前のご利用でも大丈夫ですよ」
「記憶が曖昧でも大丈夫ですよ」
「間違っていてもかまいません。今すぐお電話を」
「小遣い稼ぎ程度の軽い気持ちで電話するのもアリですね」
いいのかねぇ、ラジオ局。片棒を担いでいるように思えて仕方ありません。
ここで集められた名簿は、多額の借金をする隙だらけの人のリストであり、二次的な活用も充分に考えられるのが恐ろしいのです。
『悪逆』(黒川博行著・朝日新聞出版)は、過払い金返還請求や刻印のない金塊取引や麻薬の瀬取り、それに新興宗教の闇など社会の裏側をえぐり出した作品です。車のナンバープレート工作や盗聴器バスターの現況、財産の隠し場所なんかも紹介されていて、犯罪の教科書のようでさえありました。なんか、悪人のカタログを見ているようでもあり、ドキドキしながらあっという間に読み終えたのであります。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 19点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 19点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 19点
【合計】94点