都会のネズミと田舎のネズミ

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石礫(せきれき)

科学技術の進歩や生活行動様式の変化に伴って、犯罪捜査にも変化が求められています。

例えば、交通機関の発達に伴う犯罪の広域化、都市化が進んで人と人との繋がりが薄れ、聞き込み捜査等が困難であることなど。

そんな環境変化の中、犯罪検挙率は1965年から1969年まで低下し続けていました。

そこで、警察庁では1970年に捜査体制の抜本的な強化を打ち出し、「機動捜査隊(通称・機捜)」を全国に配備したのです。

これは、刑事事件、特に捜査第一課が担当する強盗・傷害・殺人等の初動捜査、あるいは窃盗事件や特殊詐欺事件の被疑者逃走事案が発生した際の初動捜査を担当することになっています。普段は覆面の捜査用車で警ら活動をしており、隊員が事件や事故を目撃するか110番通報入電の無線指令を傍受すると、直ちに現場へ急行し初動捜査を行うという任務です。あくまでも初動捜査増強のためであり、捜査体制が整うと、フェイドアウトしていくという役目。それだけに、人によってはその仕事を軽んじる傾向もあって、立場は複雑です。

 

『石礫』(今野敏著・光文社)は、その機動捜査隊にスポットを当てた作品です。警察というところは上位下達が徹底されていて、また、極端なほどにセクショナリズムを感じさせる組織なので、機捜のような遊軍的な存在は動き方が難しいってこと、すごく理解できるし、理解できるように描かれているのが流石の今野敏です。今どきのライフスタイルと逆行するような過酷な勤務形態は、一家団欒から程遠いので、本人の幸せな結婚生活は難しいのがよく分かりました。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 19点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 19点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 17点

【合計】89点