昨年12月20日に放映された『水曜日のダウンタウン』は、暗示的でありました。
その日のお題は「怪しい自称プロデューサーから100万円払ったら『水曜日のダウンタウン』に出してあげるよと持ち掛けられ、ホントに払ったヤツがホントに出演できるホントドッキリ」だったのです。要は、テレビ出演経験がほとんどない新人女性タレントに対し、エサをチラつかせたとき、それに引っ掛かるかというもの。
もちろん、そんな話はありませんが、それを信じさせるために回りくどいほどに伏線を張って、まるで詐欺グループが行うような筋立てで、そこまでやられたら、騙される人もいるかもなぁと思わせるものでした。つまり、経験値が低くて警戒心が薄く、想像力が乏しい上に周囲の人間関係にも恵まれていないような人(短くまとめるとアホな人)は、餌食になります。もともと、自分の価値を低く見ているので、いろんな意味で失うことに抵抗がないってところが問題だと思われます。そういう人間。
番組では、怪しいプロデューサー主催のパーティーに参加し、ほとんど疑うことのないままにお金を工面した女性がまんまと罠にハマった様子を面白おかしく放送していました。このとき思ったのは、100万円じゃなくて他の要求であれば、もっとうまくいくのでは?という疑念です。
もしかしたら、この人に会えるのであれば、何でもすると考える人は、意外に多いのかもしれません。
松本人志文春掲載問題で、事実無根だと言ったのは、不誠実であったように思います。
少なくともホテルの一室に集まって、どんちゃん騒ぎを行ったのは確かだと思えるからです。そこは、言葉のチョイスが違う。
で、彼を神であるかのように崇める後輩芸人が、頻繁にそういう席を設けていた。これも、ありそうな話です。ちょっと前に、中田敦彦がお笑いコンテストの審査を独占していることに対する批判も、行き過ぎたカリスマっぷりからきたものなんでしょう。必ずしも松本人志の責任じゃないんですけどね。長いものに巻かれていく、数字こそ正義だと考えるテレビの体質がいやらしい。だから、そういうものすべてがなかったことのように済ませようとする事実無根は、横暴だと思うのです。
その一方で、被害者だとされる女性側の告発ですが、8年以上も前の話を蒸し返して、合意でなかったとする論点を持ち出すのは、やり口が美人局っぽくて、同情する気持ちが起こりません。こういうときは、弱い女性の立場に擦り寄ったほうが、いいに決まってるんだけど、賛同できないなぁ、やっぱり。週刊誌の記事には、ハリウッドザコシショウじゃないけど誇張し過ぎた部分が多く含まれているような気がします。
出演する全番組への自粛となると、20〜30億円、あるいはそれ以上の損害賠償を請求する話に発展すると思います。
これって、仮に松本側が勝ったとしても、それ以上に受けるマイナスのダメージが大きいでしょう。おそらくは、このまま引退するんだと。
手引きした芸人も無傷では済みません。何よりもくだらない遊びをしたら、活動自粛という先例が出来上がってしまった。テレビ離れも加速するのではないでしょうか。
面白くないねぇ。