「LINE漫画」ってのがあるらしい。
私の常識では、流行りの漫画は紙媒体から発生するもので、稀にテレビアニメが先だったりするものもあったりするけれど、とにかくページをめくって安心するというものでした。
だから、週刊誌と漫画とは一心同体。限られた可能性の中で、鎬(しのぎ)を削る世界だとの認識です。
昔、アホな部下が立派なビジネスバッグを抱えていたので、何が入っているかを尋ねたところ『少年ジャンプ』だけだったなんてことも思い出されます。漫画は新聞紙と同じように、使い捨てるのが当たり前でした。
ところが今はスマホ万能の時代なので、雑誌そのものがオシャレじゃないと敬遠されるようになり、画面で読むのが普通だという若者がどんどん増えているようです。それが「LINE漫画」。新人がデビューするのも、手っ取り早くなっています。そのあたり、テレビがネットに取って代わられるのと似た構図です。
CX系列で始まった土曜ドラマ『おっさんのパンツなんてどうだっていいじゃないか!』は鮮烈なタイトルに誘われて見始めたのですが、これがなかなか面白い。原田泰造の何とも頼りない演技が絶妙ですし、周囲の人物設定が尖っていて時代を理解する上でタメになります。『月曜から夜ふかし』に登場する変わった人たちを集めた感じ。いや、そう思っているだけで、時代から取り残されているのかもしれません。
ドラマの原作は「LINE漫画」からですって。テレビの制作者たちは、そんなジャンルにもしっかり目を向けているんですね。
いろんなものが細分化されて、チャンスが広がっているように思います。メガヒットは望めないけど、ウイナー・テイクス・オールとならないところが日本っぽくもあるんだなぁ。